スケープゴート ‐ 幸田 真音|ドラマ 黒木 瞳

甘利前経済再生相が辞任した。
たまたま「スケープゴート」を読んでいたので、辞任の背景を小説風に眺めてしまった。

スケープゴートは、主人公の三崎皓子が大学教授から閣僚になり、就任直後に起きた銀行の取り付け騒動を鮮やかに解決したことから、数か月で参議院議員になり官房長官になり、初の女性総理になるまでの物語である。
三崎が余りにずば抜けた才能を発揮するので、物語が簡単になり過ぎてしまった感がある。
幸田さんはこの小説の中に女性が仕事をする事、男性同等に仕事をすることの難しさも書き表わそうとしている。
女性がかかえる家事と老人介護の問題に触れながら、例え総理大臣になろうとする女性も家族のその問題から逃げる事は出来ない現実をかいている。

この本の主題は政界内部を書いているけれど、副題は女性が社会に進出する事の難しさに触れている。
それにしても、いきなり総理の座に駆け上がる女性を主人公にするのは大胆な発想だ。
三崎は硬直した日本の政界に投げ込まれる「スケープゴート(生贄)」なのか。
どうも、そこが消化不良の本になっている。

たまたまWOWOWで昨年4月にドラマ化されていたので、読了の後で観た。
本以上に単純だった。
なぜこの本を話題にするかと言うと、閣僚の秘書の存在が面白かったのだ。
外国の交渉と同じように、閣僚間のすり合わせは各政策秘書の間で事前にすませているし、会合があれば場所の設定、予約の全てを手配する。
ドラえもんのようだ。
大きな事から、小さな事まで、つまり国際情勢から日本地図、レストランガイドまでが頭に入っている。
優秀な秘書は重宝がられる。今でも時々テレビに出てくる秘書さんは議員さん以上に幅を利かせている印象もある。
日本は、優秀な官僚と議員秘書が回しているんじゃなかろうか。
そうでなかったら、甘利前経済再生相を辞任させられなかっただろう。

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今日は少し寒かったワン。

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