アキラとあきら ‐ 池井戸 潤|熔ける ‐大王製紙前会長 井川 意高の懺悔録|大王製紙事件

姉母の入院、手術で待ち時間が多くなった頃に丁度良い本に出合った。
池井戸 潤著「アキラとあきら」

新著のハード本を買うのは躊躇われたけれど、この本はいきなり文庫本で発売された。
ズシリと重く、1080円という価格が安く思えた。

どんな一日であっても、夜になるとこの本が読めると言うのは心が躍る楽しみになった。
池井戸 潤と言えば銀行小説だ。ところが本を読み始めた最初は、ふたりのあきらの生い立ちの説明が長く、珍しくハズレかと思いつつ読み始めた。

ふたりのあきら「山崎 瑛」は倒産した町工場の息子。「階堂 彬」は大手海運会社の御曹司と真逆の環境で育った。けれど、大学を卒業してからの進路は大銀行の就職を目指した。入行時の研修では注目される粉飾決算書を作り、片やそれを見抜いてしまうと言う注目すべき役目を果たした。このあたりから「待ってました池井戸さん」と喝采したくなるような筆運びになった。

池井戸の本は全て読んでいるけれど、いつも想像を絶する展開をする。
「山崎 瑛」は企業のことを考えず自分たちの業績だけのために強引に不必要な融資を迫る上司に反発。「階堂 彬」は「企業を救いたい」と願うものの、現実的な問題から融資を都合できない案件に苦しんでいた。
その二人をつなぐキーワードは「カネは、人のために貸せ」という言葉だった。

次々に起きる難問題に知恵を絞って立ち向かう、熱い心を持つ銀行員の姿が清々しい。
日本の政治家にもアキラが一人くらい居てくれればとずーっと考えてしまった。
その後の展開は、是非本を読んで頂きたい。

7月にはWOWOWでドラマ化が決まっている。

連続ドラマW アキラとあきら
2017年 7月9日(日)よる10:00スタート wowowプライム<全9回>
(第一話は無料放送)7/9(日)よる10:00、
【再】7/11(火)深夜0:00、7/16(日)午前10:00

御曹司は「向井 理」、零細企業の息子役は「斎藤 工」
既に録画予約をした。
原作を超えるドラマを見た事はないところですが、今回はどうなるでしょうか。

2017.9.17追記:
ドラマの感想はこちらからどうぞ。
アキラとあきら ‐ ドラマ版を鑑賞|我が家の儀式

※「アキラとあきら」をご覧になるにはWOWOW_新規申込が必要になります

 
「アキラとあきら」を読んで思い出した一冊の本がある。

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井川 意高 著「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」

井川は大王製紙(大王製紙事件)の御曹司で前会長、彬と同じ立場になる。
けれど何が優秀な彼を狂わせたのか。→ 大王製紙事件(Wikipedia)

アキラは小説なので、常に安心して読める。
「熔ける」は現実の話で、きれいごとでは済まされない。
複数の自社関連会社から借り入れた総額100億円以上の大金をカジノで失った私的流用が発覚して、2011年11月東京地検特捜部に背任容疑で逮捕された。
2013年6月に懲役4年の実行判決で収監されている。

昨今カジノ論も盛んに論議されている。
「カジノは悪」というのではないけれど、この本も大変参考になるのではと思う。

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