台風18号

きなこは怖くて一晩中娘のベッドで震えていた。

雨と風の音で目が覚めた。
湖西道路の遮音壁代わりに植えられた大木が左右に見たこともないほど大きく揺れていた。
ゴォーッという音にピューツと音が混じって聞いたことのない風の音だった。
篠突く雨が道路を叩き跳ね返っている。
ブラインドを開けて外を見ると、電線が大きく揺れていた。
しばらくすると船酔いのような気持ちの悪さに襲われた。

幸い私の住む住宅地ではモノが飛ぶような被害は出なかった。と、思う。
今日は、メールや電話で沢山のお見舞いを頂いた。
ありがとうございました。私は大丈夫です。
博多時代の友人から数年ぶりのメールが届いた。
Cメールの短いメールの中に心が込められて嬉しかった。

お見舞いのメールを頂いて、ご心配をおかけしているのに、今日は加藤登紀子さんのコンサートで午後から八日市まで出かけた。
高速道路が閉鎖されているそうで、国道8号線は思いがけない大渋滞でノロノロと走るしかなかった。
竜王町に来ると、道路にちぎれた葉っぱが散乱した風景からあたり一面が大きな池のような風景に変わった。
目を凝らすと、稲穂の頭のようなものが見える。
どうやら刈り取り前の田んぼが水没したようだ。
稲刈り用のコンバインも半分水の中。
滋賀は、先日いただいたお米が近江米だったように自慢の米どころ。
一年分の苦労がフイになったのだろうか。
早く水を抜いて稲刈りをすればまだ何とかなるのではと家人が言った。
農業の経験のない人の言葉でも少し心が安らいだ。

台風18号は数十年に一度の雨量だったという。
嵐山の渡月橋が水に浸かる風景はこの地に住んで40年の私にも初めて見る光景だった。
日本列島が台風18号の猛威の中に晒された一日で、各地の被害をテレビで見ると爪痕の大きさに身震いする。

20130917_412980

京都三条大橋付近、この河原も水没した。

今日は加藤登紀子さんが被災地の当時小学校6年生で両親を失った少年の思いを曲にしたという「青いこいのぼりと白いカーネーション」を八日市の児童合唱団と一緒に歌った。
胸に染み入る曲だった。

青いこいのぼりと白いカーネーション
作詞:加藤登紀子
作曲:加藤登紀子

五月の空は輝いてる
その空の下 僕は走ってる
未来へと 時は動いてる
何も考えず ここにいるだけで

海のむこうに 消えたあの時
おやじの残した古い時計は
僕の腕で 時を刻んでる
今もまだ 生きてるように

二人分 三人分 僕は生きてる
だって みんな 僕の胸の中に生きているから

大空を走れ 大空を泳げ
青い青いこいのぼり

夕暮れの空はなんて美しい
雲のむこうから声が聞こえる
おかえりなさい 元気だったの
あの日のままの母さんの声が

あなたは私の夢のすべてなの
だからほかには何もいらないの
しあわせそうに 言ったあなたの
花のような笑顔が見える

二人分 三人分 僕は生きてる
だって みんな 僕の胸の中に生きているから

大空に咲いて 大空に輝け
白い白いカーネーション

「僕のお父さんはもうここにはいない。
お母さんも もうここにはいない。
でも お父さんの時計は 僕の腕で今も動いている。
お母さんは 僕の胸の中で今も笑っている。
だから 僕はもう振り向かない。
僕はもう泣くのをやめたんだ。
僕が泣けば、胸の中のお母さんも泣いてしまうから。
僕が立ち止まれば、お父さんがきっと悲しむから。」

二人分 三人分 僕は生きてる
だって みんな 僕の胸の中に生きているから

大空を走れ 大空を泳げ
青い青いこいのぼり

大空に咲いて 大空に輝け
白い 白い カーネーション

大空に咲いて 大空に輝け
どこまでも 続く 明日へ

 

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