新春、出雲の阿国に背筋を正される

新春には、去年から前進座のお芝居の観劇で「京都劇場」へ足を運んでいる。
昔と違い、芝居見物だからと晴れ着を着ていく人も少なくなったが、私はこの日だけは少しお洒落をして出かける。
半世紀前なら、かなり気合を入れて劇場へ出掛けたものだが、今では逆に浮いてしまう。それがいいのか悪いのか。
しかし、時には少し気合を入れなければ、自分の管理すらできなくなってしまう。そういう意味では、年の初めの観劇は、自分に活を入れる大切な機会でもある。
今日の演目は「出雲の阿国」であった。
原作は有吉佐和子の小説。
新年に相応しい豪華な衣装で、舞台狭しと踊る阿国の足拍子に、自然と惹きつけられていく。
力強く、時に奔放で、それでいて孤独も抱え込んだような阿国の姿に、いつしか目が離せなくなっていた。
阿国は、ただ華やかな存在ではなく、生きるために舞い、抗い、進み続けた人だったのだと感じた。
その姿は、時代を超えて、今を生きる私たちにも問いかけてくるようである。
3時間ほど、ただ舞台に集中していると、頭の中が空っぽになった。
何か清々しい感覚である。
未だこんな気持ちになれるのかと、自分に感心している自分がいた。
終演して外に出ると、京都タワーがよく見えた。

建設当時は反対運動もあったようだが、京都といえば、私には寺社仏閣よりも京都タワーである。
今年もいい年を過ごしたいものだと思いながら、京都タワーを眺めて帰路についた。
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