松園「雪女」- 福田美術館|嵐山


上村松園 初雪

昨年10月に京都嵐山に福田美術館がオープンした。

普段でも大混雑の嵐山が紅葉を纏う頃にオープンとは憎たらしい。
渡月橋を渡る順番待ちの長い行列は、つい先月の映像だった。
あれからひと月。
猛威を振るうウイルスの影響もあるのか、嵐山は静かになった。


こんな時が来るとは思わずに、指をくわえて眺めていた「福田美術館」に行く機会を得た。



展覧会の目玉は、初公開、松園の「雪女」
木版画としては知られていましたが、原画の存在はこれまで所蔵者とわずかな関係者のあいだでしか知られていませんでした。その「雪女」が今回初公開となります。


「雪女」の原画の発見には、同館の学芸課長、岡田氏によると、次のようなエピソードにより上村松園作の「雪女」が発見されたそうです。

                               
「岡田さん、これも見ていってください。ずっと家にあって、ある歌舞伎俳優の女形さんは、怖い役をやるときには楽屋にこれを掛けていたんですよ。」
2016年10月中頃、与謝蕪村の史料を調査しているとき、所蔵者が慣れた手つ きで小さな箱を開けて、床に掛けたのが「雪女」との出会いだった。見た瞬間、 身震いがしてどんどん体温がさがっていくような感じがした。        

黒い背景にシルエットが浮かび上がり、顔の濃淡はくぼんだ目に見える。右手で左側の乱れた髪を整える姿はどこか色っぽい。前に出した左手で持つ一 振の太刀。その太刀の柄(え)と鍔(つば)の金具部分だけ金で彩色され、胡粉 による雪が吹き荒れる。 小さな字で「松園」と署名があることから、美しい女性の絵を描くことで有名な女性画家上村松園が描いたことが分かる。
調べていくと、この「雪女」は、近松門左衛門の没後200年にあたる大正12年にむけて出版された『大近松全集』第12巻 (大正11年)収録の浄瑠璃「雪女五枚羽子板(ゆきおんなごまいはごいた)」のなかの一場面を題材した付録木版画の原画 であることが分かった。   
本作を描く4年前、松園は謡曲「葵の上」をもとに嫉妬に狂う生霊を描いた「焔」(東京国立博物館蔵)を描いているが、「雪女」も線と色をできるだけなくして、シルエットと太刀だけで、女性の恨みの念をみごとに表現している異色の作品である。(cinefil)より

「雪女」は別格として、展示作品は「美人」ばかり。
絵の見どころが丁寧に書かれた解説が添えられているので、見落としがない。
今日は空いていたので、小さな文字のキャプションもしっかり読めた。
上村松園のほか 鏑木清方、伊東深水、等々の作品が多かった。


上村松園 春風


福田美術館は写真を写すことも一部の絵以外は自由である。


お昼は、渡月橋の見えるCafeの特等席がゲット出来た。


嵐山を流れる川は、渡月橋の上流が保津川、渡月橋のすぐ下流が大堰川、その下流が桂川と名前を変える。
ここから見える川は保津川となるのか。
護岸工事中で風情はなかった。

施設名 福田美術館
住 所 〒616-8385
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
TEL・FAX TEL:075-863-0606
FAX:075-863-0607
アクセス JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山駅」下車、徒歩12分
阪急嵐山線「嵐山駅」下車、徒歩11分
嵐電(京福電鉄)「嵐山駅」下車、徒歩4分
開館時間 10:00~17:00 ※ご入館は16:30まで
休館日 火曜日(祝日の場合は翌日)、展示替え期間、年末年始
入館料 一般・大学生:1,300(1,200)円
高校生:700(600)円
小中学生:400(300)円
障がい者と介添人1名まで:700(600)円
福田美術館・嵯峨嵐山文華館 二館共通券:2,000円
詳細はこちらから
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
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※店舗及び、ギャラリー・美術館などの情報は記事作成時点のものです。最新の情報は公式ホームページにてご確認ください

                 

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