姉母の日々 – 長期介護の難しさ
姉母が倒れて、もうすぐ3年になる。
3年前に比べたら、ずいぶん力が無くなったし、話もしなくなった。
今年に入ってからは、食事が進まず何を食べさせたものかと、さんざん悩んでしまった。
本箱を見ていたら、姉母のことを知ろうと色々な本を買い込んでいた。
その中を拾い読みすると「老衰」が近づくと段々食べられなくなるし、食べなくてもいい状態になると書かれていた。
そうだったのか。
一口でも好きなものを食べさせたいと思っては空回りをして、姉も私も疲れ果てる戦いを繰り返していた。
でも姉のところに行こうと思うと、何かと好きだったものを探してしまう。
「甘〜い卵焼き」関西風のだし巻きではなく、卵にたっぷりの砂糖と微量の塩を入れて作る卵焼きが好きだった。
持っていくと、一切れ、上手くいくと二切れを食べてくれた。
飲み物はお茶は飲まずに、コカ・コーラばかり。それでも水分補給にはなる。
ただ、それだけを見届けるだけでも心が安らいだ。
今日は、それも上手くいかなかった。
好きだったお好み焼きを焼いていったけれど、見るなり顔を背けてきつく口を閉ざす。
食事には全く手を付けていない。
「お腹がいっぱい」と言うけれど、そんなはずはない。
つい言葉はきつくなり、そんな自分が嫌になり、姉のところに行くことが憂鬱になる。
「食べたくなければ食べなくていい」頭の中では理解できていても、向かい合うとつい、本音でぶっつかる。
「もう、食べなくていいです」と言ってお膳を下げ、歯磨きをして姉をベッドに寝かせた。
逃げるように帰ってきたけれど、後味の悪さが私の胸を塞いでいる。
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