年を取ると言う事は

姉母が「水を飲むグラスが重くて持てない」と言い始めた。

グラスには手掛かりがないので滑るらしい。

手に水を付けると持てると言う。

プラスチックに替えた方がいいだろうかと試してみたけれど、見た目の悪さで拒否された。

「でも、持ってみて」と持たせると軽さが気に入ったようで「使ってみる」と返事が変わってホッとした。

90才を越えると、グラスを持てなくなるのかと少しショックだった。

 

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春には咲かなかったクレマチス・キャッアイがいま満開

 

長姉から「体調が悪くて食事が取れない。お腹も痛いし、手足にしびれがあるので何時もとは違うので病院に行きたい」と電話があったのは、お盆休みを前にした昨日。

迎えに行くと玄関の椅子に腰かけて予約時間の30分前から待っていた。

施設の方に伺うと、「一人でここまで歩いて来られたし、いつもと違うとは思えない」との事だったけれど、高齢なので何が起こるやら分からない。

病院が長い休みに入ると意識するだけで不安になると言う事もあるらしい。

 

私も診察室に入って様子を見ていた。

丁寧な診察をして頂いたけれど、長姉が訴えるほどの症状は見当たらなかった。

「軽い痴呆の為の不定愁訴」と言う診断だった。

一寸待って。

痴呆と片付けるのは少し可哀そう。

私が長姉に運んだ食事の器は、何時も綺麗に洗われて、次の時にはキチンと返してくれる。

病院の予約が5時だと言えば4時には支度を始める。

それでも、痴呆?

 

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症状のない病気を長々と訴えるとその症状を痴呆と言うらしい。

私はそうは思わないけれど。

施設で聞いてみると新しいヘルパーさんの名前を直ぐに覚えて、ヘルパーさんを名前で呼ぶのは長姉だけなので、施設で一番しっかりしていると思うと言われた。

 

もう、何年も何所を受信しても「気のせいです」と言う診断を下される。

出される薬は精神安定剤。

安定剤を飲んで何度か倒れて危ないところだった事がある。

ので、今は安定剤を出さないようにお願いしている。

姉は安定剤を飲みたいと言い続ける。

 

老いを認めて諦めようとする反面、病院に行けば少しは良くなるだろうと期待する。

けれど、そうは行かない現実に失望を繰り返しているようだ。

老いの辛さは慰めようがない。

20年後の私の姿と重なる。

年を取るのは辛いなあー。

 

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