りんごの季節

暑い暑いといいながら暮らしているいるけれど、店先の果物は夏から秋へと確実に変わった。
果物大好き人間として桃や梨と分かれるのは辛い。
既に、柿やりんごが桃の場所と変わってしまった。
りんごとはこれから半年以上の付き合いになる。
津軽りんごを2個買ってみた。
部屋の中にかすかにりんごが香りそろそろ食べごろだと知らせてくれるが、残っていた梨と別れを惜しむあまりになかなかりんごに手が回らない。
桃とは1週間前に分かれる決心がついていた。
昨日京都で猛烈な夕立にあい、初めてコンビニでビニール傘を買った。
が既に遅く、かなりぬれて気持ちが悪い。
レイトショーで「めがね」の映画を観ようと出かけていたのだけれど濡れたままでは気持ちも悪いし、風邪も引きそう。
思い切って帰宅をしたけれど、体調も優れず分かりきった総裁選挙の結果も見ないでDVDの映画鑑賞をした。
そんなこんなであまり機嫌よく目覚めたわけではないけれど、今朝はやけにりんごが香ってくる。
ナイフを入れると特有の手ごたえでサクッと切れる。
これは、桃や梨とは全く違いりんごを切るときにのみ感じる快感である。
毎年同じ季節に同じ果物はあるけれど、年々季節の変わり目に果物との別れを寂しく感じてしまう。
かくして漸く、桃や梨と別れを告げりんごと柿に走ることになった。

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