十万分の一の偶然 ‐ 松本 清張

バリ島への飛行時間は片道6時間ちょっと位。
乗り物で眠ることは出来ない性格なので、新しい文庫本を1冊持っていく。
今回は書店に平積みされていた松本清張著「十万分の一の偶然」

近々ドラマ化されるということで平積みされていたのだろう。
アマチュアカメラマンの山鹿恭介が写した東名高速の事故現場写真が新聞社主催の「読者のニュース写真年間最高賞」を受賞したことから始まる。
十万分の一の偶然に出会った幸運と評されたが、余りにリアルな写真に対して賛否両論が上がった。
十万分の一の偶然が本当にあるものかどうか。
この事故で婚約者、山内明子を失った沼井正平の推理の過程が物語の骨格になっている。
何冊読んでも清張は清張。
緻密な現場描写は流石でかなり前の小説だけれど、今の高速道路でも容易に想像出来る。
清張は清張という意味は勧善懲悪の世界感、読者を裏切らない。
乗り物の中で読むには手頃な本だった。

15日(土)テレビ朝日の開局55周年記念番組として放映されるので小説とは設定が違うかもしれないけれど、ドラマを見るのもいいかも。でも、小説を超えるドラマに出会ったことはない。

喪中はがきが届く頃になった。
去年までは私世代のご両親のご逝去を知らせるものがほとんどだったが、今年は友人のご主人の訃報を知らせるものが混じっていた。
まだ60代では諦めきれないが、ふっとそんな年齢になっている我が身を振り返った。
バリ島を発つ日、夕焼けのレストランで家人が「こんな夕日を見る日が人生にあるとは思えなかったなあー」と言った。
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