カンパーナ六花亭からの十勝岳|旅行の終わりは土砂降り大荒れの中の運転
台風の影響で飛行機の運休が続いていた。
前日からipadで情報をチェックしつつ、運休した時は何処に行こうかと次の楽しみを考えていた。
待てよ、運休すると翌日帰れるとは限らない。数日伸ばすか、違う航空会社を探すかと空想するのも楽しかった。
けれど私は最終便。どうやら運航するらしいと昼過ぎには帰る事が決まった。
そうと決まれば、絶対に見たい風景がある。遠周りになるけれど、富良野に向かった。
カンパーナ六花亭から眺める十勝岳
初めてこの景色に出会ってからもう何回来てるだろうか。
「帰ります」と娘にメールをすると「テレビが聞こえないくらいの大雨だから運転気をつけて」と返信が来た。関空の駐車場は屋根が無い。
雨の場合荷物の積み込みはどうなるのと心配したら、家人は「深夜に着くのだからそれまでには何とかなるさ」と鷹揚な構え。そりゃそうだ。
1時間近く遅れて千歳を飛び立った飛行機が関空に近付くと窓を雨が叩き始めた。
この雨が、記録的な豪雨となり、甚大な被害をもたらす雨になろうとはその時は思ってもみなかった。
千歳空港で家人が「ポケットのあるシャツを着るよ」と言ってTシャツの上にシャツを重ねた。
チョット、嫌な予感がした。
次に「機内は寒いかもしれないからジャンバーを出しておくわ」と言った時にはピンと来た。
「熱があるんでしょう」「いや、ない」
その割に、みるみる元気が無くなった。
熱を出されては困るのだ。関空が雨で夜道となると運転に自信が無い。
関空に降り立つ時に家人の顔は赤くなっている。額に手をやると非常に熱い。
私も覚悟をせねばならん。
家人から車の鍵を受け取り、雨の中走って車を取りに行った。
いつもの真逆なのだ。
発熱は気の毒だけれど、私には思い当たる所もあるので同情出来ずにイライラが始まった。
今回は断崖絶壁回りの旅、道東はストーブを焚いていると聞いていたのでセーターやジャンバーを持ちこんだ。
たまたま日中市内は暑かった。
けれど、断崖絶壁はゴーゴーと唸る風に、叩きつけるように岩を襲う波しぶき、気温はグングン下がって13℃位になった。
面倒なのか上着を着ようとしない人だった。
飛行機は夜の11時半に関空に下りた。
叩きつける雨にワイパーが役に立たない。
ナビを頼りに運転するけれど、道路標識は暗くて見えにくい。
「ろくろっ首」のように首を伸ばしながら運転すると、ナビは全く知らない道路に誘導していった。
隣でふーふー言ってる人も気になるけれど、無事に帰りつくのかと不安もつのる。
どうやら方々で通行禁止が発生しているらしく、高速道路の電光掲示板は赤い字の通行禁止が滲んで見えた。
運転歴は50年越えてるし、毎日ハンドルを握っているのだから落ち着け落ち着けと自分を鼓舞しながらハンドルを握った。
夜中の1時半頃、自宅に着いた時は5日間の旅行行程の中で一番疲れていた。
猛暑の大津を離れて、雨にも負けず理想的な旅程の最後に、神様は随分と意地悪をなさるものだと思った。
でも、車を空港に置いてなかったら電車は運休で帰れなかっただろうし、風が無かったので関空橋の通行が出来たのもラッキーだった。
神様は少し手加減して下さった。
コメント
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お二人それぞれに大変でしたね。
夜の雨は私も苦手ですが、そのうえワイパーのきかない雨となれば想像するだけでも怖いです。
本当に無事で良かったです。
ご主人様どうぞお大事に。
kinohanaさん、コメントをありがとうございました。
千歳を発つときまでは、これほどの雨も、これほどの高熱になるとも思っていなかったんですよ。
楽しい旅の最後がトホホ・・。
無事に帰れたので、めでたし、めでたし。