定休日ー20

「私はなんだか死なないような気がするんですよ」と言ったのは、宇野千代さんだった。
その彼女も98歳で逝ってしまった。
定休日が終わろうとした夕方「みまかりました」と連絡が入った。
何時お会いしても「何処も悪くない、元気です」といつも言っていた方でしたが98歳でした。
遺影の横に置かれた「秋空」という習字は10日前に書かれたそうです。
時々ひどくものを忘れ、家族は振り回されていましたが、ちぎり絵を楽しみデイサービスの迎えを楽しみに玄関に早くから出ている方でした。
「私は死なないような気がする」とやはり思っていたと思います。
17年間同居し、満足しきったと思います。
2日間寝込んでちょっと心配をさせてスーと消えました。
「天寿を全うして..」とよくいわれます。
私の母も98歳の3週間前でしたが、「天寿を全うして」と本当に思えたのは一周忌が過ぎてからでした。

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