放浪記

昨夜はNHK総合とNHK教育で森光子の「放浪記」を堪能しました。
放浪記の舞台は数年前に博多座で観賞している。
尾道は新幹線が開通して「こだまの町」のイメージはなかった。千光寺にあがり、「海が見える、海が見えた」の歌碑を見て、林芙美子が見ていた風景を確認した。多分随分違っているのでしょうけど。
舞台では郷愁をそそる石炭列車の警笛が効果的に、重要な役目を果たしていたが、実際の警笛の「こだま」は聞いたことがない。
尾道に暮らした人だけに聞こえる故里の音なのでしょう。
昨夜の放浪記は、極上のお茶のほろ苦さを味わうような味があった。
そして、現実にそこにいる林芙美子の息づかいが聞こえた。
女性がひとりで生きるのは大変な時代に心の内をぶちまけるような詩を書き続け、貧乏をのろい「おかね、おかね」と詩に書いていく。
舞台から見える、林芙美子のすさまじい生き方が心地よい。
これほど情熱的に生きてみたい。
森光子は舞台上を所狭しと走り、飛び上がる。彼女には林芙美子の魂が棲みついているとしか思えない。
2008年に芸術座が新装されたら是非、また演じて欲しい。それまで、森光子と林芙美子は芸術座のどこかで語らいながら、幕のあがる時を待っている。

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