京懐石|棚ぼたランチ

去年から予約をして楽しみにしていた、今日のランチ。
予約をしてくれたMさんの体調が悪くなり、ピンチヒッターに家人を立てた。
すると娘が言った。「これって、棚ボタよねえ」
ミシュランのひとつ星と言っても決して敷居は高くなく居心地の良いお店だった。
ついでにミシュランの覆面調査についてお聞きすると、初めは詐欺まがいの話だろうと思ったそうだ。

ご家族4人で切り回しているので、一回は3組と決めているそうで、今日は一人の方、私達二人、奥の小上がり一組だったので6人がけのカウンターに3人とゆっくりしていた。
岩さき.jpg
食前酒の冷たい日本酒が喉越し良く、ついもういっぱいといきたいところだけれど、これ以上は料理が入らなくなるので我慢をした。
岩さきー2.jpg
あまりの美味しさに写真を撮り忘れた合わせ味噌の椀物が一番美味しかった。
と、言うのは失礼だろうか。
どれも美味しいけれど、京料理の美味しさとしては当然の域
蟹と湯葉の椀物は生の蟹のおいしさが滲み出ているし、さわらの味噌柚庵焼はほんの少し味噌を加えて柚を抑えてコクがある。
ところが合わせ味噌の椀物を頂くと特筆したくなる。
煮えばなアツアツの味噌の香りが鼻から入って、喉もと過ぎる頃に旨みがギューッと脳天を刺激した。
椀種はユリネのみ。
相当の自信作と見受けた。
企業秘密なのかなー聞いてもいいのかなー
と思案しながら大将にアツアツで出されると、味噌の味を壊すと思うけれどと聞いてしまった。
白味噌は煮え立たせて灰汁を取り赤味噌を加えて沸騰の手前で止めた物と明快に答えてくれた。
合わせ味噌というとお玉の中に赤、白の味噌を一緒に入れると思っていた私はモノ知らずの恥をかいたけれど、お聞きしてよかった。
このお料理で5,000円はお値打ちだった。

旅先の宿で京懐石というのによく出会う。
でも、満足するものは少ない。量の多さにも閉口することが多い。
今日くらいの量とお味で出して頂けると宿の印象が随分違うと思うけど。
そういえば岩さきの大将は京都の名旅館柊屋の料理長だったそうだ。
女将さんはいつかは料理屋さんをしたいと思って、数十年かけて骨董の器、漆器、調度品を集めてましたと中国の箪笥に見とれている私に話しかけてくれた。
艶やかに磨きこまれた箪笥の上の信楽焼きの大壺には牡丹が活けられていた。

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