台風の思い出

子供の頃は台風の度に家の前の道路は浸水していた。
家は少し高くなっていたのか、海の近くだったけど幸いに浸水は経験していない。
昔の台風は必ず、家の上を通過していた。
風がぴゅーぴゅーと吹き大きな木が右に左にゆれ動く。
子供の頃は自分に降り掛かる災難などはないと信じていたので、雨戸を少し開けて、向いの家の屋根瓦が飛ばされそうで飛ばない事がつまらなく、飛べ飛べと念じていた。
一枚飛ぶと、後は次々にぴゅーと屋根から剥がされていく。
その頃になると、我が家も雨漏りが始まり洗面器やバケツが動員される。
そうやって家の屋根の不良箇所は見つかり、翌日の晴天のもと修理がなされた。
私の家には低い土地に暮らす父方の叔母さんが避難してきて、いつもより賑やかで子供としてはお祭りに次ぐ秋の恒例行事であった。
当時はラジオしかなく台風情報も今のように正確なものではなかったが、体育館に避難する事もなく、せいぜい親戚に身を寄せるのが普通であった。
報道がなされなかったのかも知れないが、伊勢湾台風以前には台風で死傷者が出たような被害は知らずにいた。
台風の為にいつもは開けっ放しの雨戸が閉められ、いつもと違う緊張感が家の中に流れていて、不謹慎だが心がわくわくする興奮があった。
現在は台風情報も早く伝わり、危険地域の避難は素早くなされているようでも被害は大きくなる傾向にある。
山を削って、川は改修しその上に手抜き工事で出来た宅地であれば、一瞬にして土地ごと水にさらわれてしまう。
今日は大きな台風がまた首都圏の方に進んでいるらしい。
去年も台風と地震が繰り返されている。
夏の終わりは気を緩められない。

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