女社長奮闘記

久しぶりに友人を訪ねた。彼女は10年前まで私と同じ団地に住んでいたが、離婚後会社を興しわずかといえども黒字決算を続けている。
忙しい人であるから、時間の節約に早口でお互い手短に近況を話して引き上げている。
ドアを開けると挨拶もそこそこに彼女は開口一番「アメリカは大災害だしオイルは最高値がつけているのに株が上がっているよ。どういう事?」「こちらが知りたいわよ、で株持ってるの」「持ってない。そんな暇なし」
彼女の株手腕は大変なものでゴルバチョフ氏が誘拐され日に売り一色の中、四季報を片手に片っ端に買い注文を出している姿を固唾を飲んで見ていた。
その後それによりどのくらいの利益を出したのかは、聞いていない。
彼女は何ごとも「有言実行」の人で、事を起こす前は電話で私に通知をして来る。
私に相談するのではない「~しようと思う」ただそれだけである。
今まで2度驚かされた。
一度目は「今日、持ち株全部を寄り付きで売るわ。今なら子供の授業料(年子の大学生3人)だけは確保出来るからね」といって来た。2000万円くらいの損切りになったと報告して来た。
平気な顔をして「自己責任よ」といっていたが心中は辛かったと思う。
それまでならよくある話で驚くことはないが、それからが並の主婦ではなかった。
彼女の趣味は「勉強」らしく、よく勉強する人で「税理士」になりたいと猛勉強をしていた。その後の事業手腕をみれば、大変な努力をしたと思うが、株で損をしてからは緊急就職に切り替え、宅建免許に目標を決め自宅勉強で一回で合格した。
その資格で就職したものの、数年後にその会社の社長におさまっている。その経緯はまたの機会に。
ニ度目は10年前のお正月が過ぎた頃「1年後に離婚します」と言って来た。それまで家庭内の不満を聞かされた事がないだけに「薮から棒にどうしたの」がやっとの応対である。
「恋愛結婚だから離婚は自分を裏切るようでできなかったが、このお正月に我慢の限界になった」と縷々一日かけて話をした。1年後というのは頭を冷やして考える時期かと察したが、さにあらずご主人が一人立ちするための準備期間であるといわれてまた驚かされた。
そして1年後に離婚し50才を前に新しい人生に踏み出した。
今の仕事は橋梁工事という男性社会であるが10代から50代までの社員のやる気を育て、会社以上に人育てが上手いのは主婦社長故であると私はみている。
興味深い彼女の武勇伝はまたの日につづきを書きたいと思っている。

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