カサブランカの匂い
カサブランカは数年前まではとても高価な花だった。
一輪咲くと、風に乗って流れる匂いにうっとりしたものだ。
昨年山積みされた球根が驚くほど廉価になっていたので、だめもとで買って来た。
それが、雨が降り続く今頃になって大きな白い花を咲かせた。
外の雨に打たせるのも勿体ないので切り花にして、家に入れてもらった、家人に。
外から帰ってこの花の匂いがあるとホッとする。
茎が小さく頭の大きな花を花瓶に生けるのは難しい。
ふっと見ると。
こういう仕掛けがされていた。
庭中のバラ、クレマチス、はたまた地面を這い回る雑草の類まで、気が付けばみんな結束されて真っ直ぐシャンと立たせているのは家人の仕事に他ならない。
カサブランカは上手く生けたと思うけれど、後ろから結束を解いて歩く人が家にいることに気づいてない。
長姉は、今日退院して自分の部屋に帰って来た。
大好きな相撲を大音量で気兼ねなく楽しんでいる。
病院よりも食欲はあるようだけれど、立ち上がる気配はない。
今日は凄く疲れた。
耳が疲れたはずだけど、目の奥がしびれている。
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