イベリア半島の旅ー5

リスボンという地名を聞くだけでも胸が震える。
ユーラシア大陸の東の端から西の端までついに来たと感慨深くなる。
私は路地が好きだけでなく端っこという場所に特に弱い。
日本で一番日の出が早いといわれる犬吠埼にはその潮騒を聞きにいった。
ポルトガルに入ると木はユウカリや松に変る。
ユウカリは成長が早いから、松は帆船の材料にと考えて植えられているという。
リスボンの夜はオレンジ色の灯りが心細げに点り、ギラギラとした灯りがない分、旅情は増してくる。
この町の世界遺産ジェロニモス修道院はこの1月にパリダカレースのスタート地点になるはずだった。
準備はすべて終りスタートを待つばかりになっていた状態から一転して中止が発表になったとか。
テレビで見ていたけれどその場所に立つと中止を決定した苦しさの実感が湧いてくる。
スペインのいたるところで大聖堂を見学したのでこの頃には大聖堂の区別も朧になってしまう。
ところがこの大聖堂の前の公園で月に一度の蚤の市が開かれていた。
蚤の市を思い出すと、石畳を走る電車と共に大聖堂を思い出す。
ここはバスコダガマの棺が置かれていた。
蚤の市は小さい規模だったけれど、壁から剥がされた古いタイルが沢山だされていた。
いつもは気にもかけないボタンの沢山入った箱が目に付いた。
手芸好きのTさんの顔を思い出してあれこれと選んでみたけれど、それほど珍しいものや綺麗なものは見当たらなかった。
折角のぞいたのだからと片手の手のひらいっぱいほどを買った。
午後には念願のロカ岬を目指す。
ポルトガルの詩人、ルイス・デ・カモンイスが「ここに地つき、海始る」という魅力的な詩を残した場所である。
彼の棺もジェロニモス修道院に置かれていた。
国賓級の方々は必ずこの前にお花を手向ける。
数日前にロシアのプーチン氏が訪れたとか。
私の心臓はパクパクと興奮しながら一心に岬を見つめて近づいていった。
「なーんや、潮岬とかわらんやん」という言葉が耳に飛び込み夢はボロリと覚まされた。
見た目はそうですよ、確かに。
だけどここは西の端、これから先は大西洋、そしてその向こうはアメリカ大陸。
私は大西洋を見るのは初めてだった。
犬吠埼からロカ岬まで漸く来たのだからと、大西洋の白波が打ち寄せる岩肌を忘れないように目に刻んだ。

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