おくりびと

いえ、映画じゃないんですよ。
今日家の近くで植木屋タケさんがお仕事をされているので、一寸のぞいて来ました。
かなり大きくなったハナミズキが前回の移植で弱ったらしく、枯れてしまいました。
その木を始末するのですが、施主のSさんは木が大好きな方なので木を切るのがしのびがたく大層苦しんで決断されました。
タケさんは木にお神酒をかけ塩をまいて静かに手を合わせて仕事にかかりました。
チェンソーで枝を落とすので、瞬く間に木は枝を落として、小さくなりました。
根づかなかった原因は根をみれば分りました。
根を堀り上げるとタケさんはその周りに付いた土を丁寧に取り払い、何度も何度も拭き取るようにして綺麗にしました。
その様子は神聖な儀式のようにも見えて、Sさんとこれは「おくりびと」の儀式なんでしょうねといいながら見守りました。
木が可哀想と中々ふん切れなかったSさんも「おくりびと」が終わると気持ちが晴れたようにすっきりしていました。
在るものをなくすのはそれなりに心に残る事なので、「おくりびと」は送られるほうではなく、送るほうを慰めてくれる儀式でもあるようです。
何事も手短に、簡単に、合理的にという風潮の中、植木屋さんの中に残る「おくりびと」大事にしていきたいですね。
コメント
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昨日はどうもありがとうございました。
親切に色々とお心配りいただき、感謝いたします。
「おくりびと」はぁ、モックンのようなイケメンではありませんが・・・。
命あるものを扱う仕事ですから、忘れてはいけないことですね。
タケさん
お仕事中お邪魔虫しました。
初めて目にした木の「おくりびと」感動しました。
「おくりびと」は送られるほうではなく、送るほうを慰めてくれる儀式でもあるようです。
この言葉、全くその通りだと思います。
気持ちを少しずつ整理していくような。
物を作る過程で、『手短に、簡単に、合理的に』
が身に染み付いていることを今実感し、
変えなければと苦労しています(^_^;)
いのぶさん
おくりびとの言葉って、優しい響きがありますよねえ。
人にもモノにも感謝の思想はそんな所からの発想かも知れません。
何だか、宗教、哲学のようですが。