ナイル河の旅ー2

空を見上げると、昼の月が薄く浮かんでいる。
かなりまあるくなった。
初めてピラミッドの前に立った夜はカマのように細く尖った月がピラミッドの上にあったのだが。
月の砂漠をはるばると~
いやでも思い出す歌であるが今も旅のらくだはよく似合う。
旅のらくだはいつの間にか警護の警察が乗り、写真を撮れと誘ってくる。
撮るとすかさず「バクシーシ」と手を伸ばす。
イスラムの世界は持てるもの方が感謝のお金を払うのが当たり前らしい。
バクシーシはあくまでも感謝金なので、旅なれずに間違えて10米ドルを出そうと、1エジプトボンドを出そうと「ショコラン」の言葉も無くポケットに収まる。
ピラミッドはギザの町はずれにいきなり出現する。
信号無視、縦横無尽に走る車、どこでも平気で横断する人々に気を取られているうちにいきなりピラミッドの前に連れてこられた。
子供の頃に歌った「月の砂漠」と「ピラミッド」を観ると他所の国では感じなかった不思議な気持ちが湧いてくる。
20数年前に近所の仲良し4人組でリュックを背負い、初めて10日間のヨーロッパ旅行に出掛けた。
アメリカではなくヨーロッパを初めての海外旅行地に選んだのは「ローマは一日にしてならず」が頭にあったことは以前にも書いたと思う。
コロッセオの前で馬に乗る警察を見ながら「ついに来た」と思ったものだ。
その時と同じ感動が久しぶりに体を満たした。
ピラミッドの中は暗く細く階段や坂道が続き世界中の人の体臭がこもっていた。
永い眠りから覚まされた王様はさぞかし迷惑していることだろう。
ピラミッドの中は盗掘され、残されたものがカイロ博物館に展示されている。
ここは見ごたえのある博物館である。
40年ぶりにツタンカーメンのマスクに対面した。
数十年前に日本に来たときは半日並んで1秒ほど見ただけのマスクとゆっくり対面できた。
すぐそばで下から覗き込み、後ろから見てまた前にまわり、しげしげと観られてツタンカーメン王はウインクしたような気がしたのは多分私の勘違い。

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コメント

    • はしもと
    • 2007年 1月 31日

    おひさしぶりでございます。
    明石に住む風のようなヒトです。
    素敵な旅ですね。。。
    もしかするとツタンカーメンは
    本当にウインクしたのかも・・・。
    またお邪魔させていただきます。
    ちなみに本日休日いただいてます。。はい。

    • skog
    • 2007年 1月 31日

    はしもとさん こんにちわ
    エジプトは若いときに旅すると、とても得るところがありそうな国でした。
    私はインドを知らないのですが、インドに行くと人生観が変わると聞いています。
    多分似たところがあるのだと思います。
    ガーデニングとは無縁の砂漠ですが。

    • sazanka
    • 2007年 2月 02日

    月と砂漠とピラミッドとらくだの隊商  平山郁夫の青の世界が浮かんできました。朝方の行くところと帰るところの向きの違う二つの絵を書きましたね。絵のまえでさえ感動します。写真いいねえ。

    • skog
    • 2007年 2月 02日

    ピラミッドは夕暮れのシルエットになるとますます神秘的になります。
    いくら観ても飽きません。
    ただ、らくだはかなり臭かったですよ。
    乗ってみたのですが、背が高いしモンローウォークだしかなり怖かった。
    乗らなきゃ分からないから、これも経験ですね。

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