極楽浄土までご案内

静岡の友人ご夫婦をご案内した東福寺の拝観は、午前中で終わった。
午後からは宇治の平等院へ向かった。
平等院は1052年、藤原頼通によって創建された平安時代を代表する寺院である。
国宝・鳳凰堂は、極楽浄土の世界をこの世に表した建物として知られている。
ここも思いのほか人が少なく、ゆっくりと歩くことができた。
何度訪れても、鳳凰堂の朱色は美しい。
池に映る姿まで含めて、一つの風景になっている。

友人は、
「写真で見るよりずっと落ち着いた朱色ね。」
と感動していた。
私もそのたびに、実際に訪れなければ分からない美しさがあると思う。
鳳凰堂内部の拝観は時間が決まっている。
まずは池の周りをゆっくり歩いてから申し込もうということになった。
すると突然、鳳凰堂の奥に阿弥陀如来さまのお姿が浮かび上がった。

一瞬、目の錯覚かと思った。
何かのお告げでもあったのだろうか、と目を凝らす。
どうやら内部拝観が始まり、説明のために阿弥陀さまへ照明が当てられたようだった。
対岸から拝見するそのお姿は、ライトに照らされて一層神々しく見えた。
池の周りでは、十円玉を手に記念写真を撮る人を何人も見かけた。
帰り道、私も財布から十円玉を取り出して見直してみた。
見慣れた十円玉なのに、不思議と急に親しみが湧いてきた。
午前中は東福寺で樹木葬をご案内し、
午後は平等院で極楽浄土を拝見する。
改めて考えてみると、なかなか洒落た京都案内になったものである。
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