津別峠からメルヘンの丘、そして能取湖へ ― 北海道・秋の風景を追って ―

チミケップ湖のホテルを早々にチェックアウトして向かった先は、ホテルから車でおよそ1時間の場所にある「津別峠展望台」である。
展望台から屈斜路湖を望むことが、この日の旅の始まりであった。

屈斜路湖の朝霧は有名で、湖畔のホテルに宿泊して早朝5時頃からこの展望台に上るのが一般的であるという。
私が到着したのは9時頃であったが、未だ数台の車が駐車場に停まっていた。
階段を駆け上がると、急に風が強まり、肌寒さを感じた。
あらかじめ用意していたウインドブレーカーを羽織ると、それで十分に寒さをしのげた。

眼下には、切れ切れに残る朝霧がまだ漂っているように見えた。
遠くには堂々とした斜里岳がそびえ、そのさらに奥には知床連山の峰々が連なっている。
空は抜けるような青空であり、晴天に感謝するばかりであった。


強風の中で一人の青年が自撮りを試みていた。
しかし、風にあおられてカメラがうまく固定できない様子である。
「写真を撮りしましょうか」と声をかけたが通じなかった。
「Can I help you?」と言うと、青年は笑いながら大きく手を振って断られた。
近くで見ていたお母さんらしい女性が微笑んでいた。
親子連れの中国からの旅行者のようであった。
この旅では、個人で北海道を巡る外国人旅行者に何度か出会っている。

津別峠を後にし、車を女満別方面へと走らせた。
次の目的地は「メルヘンの丘」である。
峠からおよそ1時間、二つの絶景を求めてすでに2時間近く走ることになるが、風景に出会うたびに心が和む。

メルヘンの丘は、美瑛や富良野を思わせるような穏やかな丘陵地帯であった。
緩やかに続く畑の稜線と、その上に立つ数本の木々が織りなす風景は、「メルヘン」という名にふさわしい優しさと安らぎを感じさせるものである。

この丘を過ぎると、道は網走湖から能取湖、そしてオホーツク海沿いを北上するコースへと続く。
やがて、今回の旅の目的地である「能取湖のサンゴ草」が目の前に迫ってきた。

早朝からの長い移動ではあったが、その道のりのすべてが、北の大地ならではの爽やかな空気と美しい風景に包まれていた。
津別峠の展望台から始まった一日は、まさに北海道の自然の魅力を凝縮したドライブとなる予感がした。

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