永平寺大灯籠流し – 2019

新幹線まで止めた大雨の翌日、奇跡的に永平寺の灯籠流しが行われた。
灯籠流しとは、全国から事前に寄せられた1万基余の灯籠を役寮と雲水120名による大施食法要の後に九頭竜川に流すお盆の供養である。

法要の始まる、19時になると辺りは暗くなり風も冷たくなった。
役寮を先頭に僧侶の長い列が会場の中央に敷かれた赤い毛氈の上をを白足袋で進み灯籠の置かれたステージに上がった。
道元禅師の読経に続いて120名の僧侶の読経が続く。
大施食法要とは、読経と戒名・法名の読み上げ供養のこと。
灯籠に書かれたお名前を読み上げる低い声が読経に交じり、大迫力と荘厳な感じが伝わる。

その後は、桟敷席の千人以上の人達に寄って大焼香が行われ、一人で2基の灯籠を預かって、会場の横を流れる九頭竜川に浮かべた。
前日の雨で水かさが増し滔々と流れる川は急流になって、一気に灯籠を流し去った。
一万基になろうかという灯籠は光の帯になり、幻想的な風景になった。
川端を流れる灯籠は水中の草に阻まれ、塊となってぐるぐる回る。
ろうそくが倒れて燃えながら流れる灯籠もある。
それぞれの灯籠に宿る思いではないだろうかとフッと頭をよぎった。

ほとんどが流れると、直ぐ近くで大きな花火が上がった。

頭の上で大輪に開く花火につい声を出して感激した。
3万人が訪れる会場は帰りはひと時になるので大混雑になった。
駐車場に停めた車もおいそれとは出せない。
私は2時間も前に行ったけれど、近くには停められず数キロ離れた山の上の公園でシャトルバスのお世話になった。

そのバスの中で何とも面白い会話が聞こえて来た。
私の隣に立った浴衣姿のカップルの会話
「帰ったら、風呂にしよう。汗だくだわ。その後で飯に行こうな」
「お風呂もいいけど、私お化粧が面倒だわ」
「フレンチに行こうなんて思ってるわけじゃないで、化粧がないと悪いんか?女の人の化粧がないという事は、男がズボンを忘れたくらいな事なん?
俺が思うにジッパーが外れたくらいにしか思わんけどな」

私は、笑いをかみしめながらバスに揺られた。

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