オンネトーへ

ナイタイテラスを後にして、向かう先はオンネトーである。
オンネトーまではおよそ90キロ、1時間半の予定。

途中で足寄の町に入ると、ここは「松山千春」の町であった。
至る所で彼の名前を見かける。
「松山千春の家」という矢印看板まであったのには驚いた。

オンネトーは、北海道三大秘湖の一つと言われる神秘的な湖である。
「神秘的な湖」と言われると弱い。
ここは行っておかなければと、今回の計画に入れた。

オンネトーに近ずくと道路は悪路になるけれど周りの風景が気持ち良く、悪路と感じる前に展望デッキに着いた。
展望デッキからは、雌阿寒岳と阿寒富士を背景にしたオンネトーが見える。
波がなければ、湖面に映る雌阿寒岳と阿寒富士も見えるはずだった。
この日は残念ながら波があった。

湖水は透き通って美しかったけれど、太陽の出方が少なかったせいか、青、エメラルドグリーン、ダークブルーと変化すると言われる水の色も見られなかった。
少し紅葉しかけた木もあったが、9月半ばはどっちつかずの季節感だった。

多分、オンネトーにとっては、一番来てほしくない日に私は訪問したようだ。
オンネトーをさらに観賞するには、展望デッキから800メートルほど登らなければならない。

しかし、天気待ちをした分、時間が足りなくなっている。
しかも、ここで昨日買った麦音のパンやクランベリーのスイートポテトでランチを済ませる予定もあった。
ホテルの朝食で、私はイクラとウニの海鮮丼をしっかり食べてきた。
午後2時を回っても、ナイタイテラスのソフトクリームは消化されない。
この上にスイートポテトとパンを食べるのは、拷問のようなものだ。
しかし、買った責任はある。

まずは、一番食べにくいスイートポテトを半分ずつ食べることにした。
半分と言いながら、かなりの部分を家人に渡して、私は食べたふりで何とか過ごした。
麦音のパンはどうする。
小さめのパンを家人に手渡すと、迷うことなく食べてくれた。
残ればまた次の日のお昼に、と思っていたけれど、家人は渡せば食べてくれるようである。
まんまと完食してくれた。

この日は、宿泊予定の養老牛を通り過ぎて開陽台まで走るつもりだった。
けれど、走るのにはいささか飽きた。
そこで、阿寒湖のアイヌコタンに寄り道をして、演劇・ショーを観る予定に変更した。
この日のショーは15時に始まる。
オンネトーからは20分の距離であるが、すでに14時半を回りかけていた。

飛ばして行けば何とかなる。
ダメもとでアクセルを踏み込んだ。

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