和歌山、小さな旅の終着駅は湯浅だった

和歌山県有田市には、もう一つ全国に知られたものがある。
醤油である。
スーパーでもよく見かける「湯浅醤油」のふるさとだ。

箕島漁港から十五キロほど。
海を見下ろす「みかん海道」を走っていくと、やがて湯浅の町へ着く。

湯浅は熊野古道の宿場町として栄え、醤油発祥の地としても知られている。
古い町並みには醤油蔵が並び、歩いていると、どこからともなく醤油の香りが漂ってくる。
そこだけ時間がゆっくり流れているようで、昭和に戻ったような気持ちになった。


町の入口近くには老舗・角長がある。
歴史を感じる建物が並び、重要伝統的建造物群保存地区らしい風格が漂っていた。

これまで千葉県野田市、石川県金石、大分県臼杵市など、各地の醤油蔵を訪ねてきた。
規模だけを比べれば湯浅は決して大きくはない。

けれど、ここが「最初の一滴」が生まれた町なのである。

「醤油の起源は、中国から伝わった金山寺味噌の桶にたまった汁を、紀州湯浅の人々が工夫したことに始まる。」
そんな説明を読みながら歩くと、一滴の醤油にも長い歴史があることを実感する。
その金山寺味噌も買ってみた。
普段は手に取ることもないおかず味噌だが、お昼のそうめんに少し添えてみると、これが実に美味しい。
温かいご飯にもよく合いそうである。
角長では昔ながらの醸造方法を紹介する資料館を見学し、昔の人たちの知恵に驚かされた。


一方、湯浅醤油では現在の工場をガラス越しに見学でき、売店では様々な醤油を試食しながら選ぶことができる。
燻製醤油や柚子梅つゆなど、小さな瓶をいくつか買い求めた。
各地で買い集めた醤油がまだ家に残っているので、今回は控えめである。

桃に始まり、
箕島漁港で海の幸を味わい、
最後は湯浅で醤油の歴史に触れた。
振り返れば、一日の中で和歌山の魅力をずいぶん欲張って楽しんだ旅だった。
往復四百キロ。
少し遠いようでも、日帰りにはちょうどいい距離である。

こうして次の小さな旅先を探す時間まで含めて、旅の楽しみなのだと思う。

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コメント

    • 本間明子
    • 2026年 7月 14日

    読み進んでいくと、最後に「日帰り 往復400k」!!!
    つい最近 おふたりとも仲良く体調くずされて~~と伺っていましたのに ビックリです❣
    やっぱりとは思いましたが・・・ 偶には ゆっくりと昼寝でもしてくださいよ

      • skog
      • 2026年 7月 14日

      明子さん、コメントをありがとうございます。往復400キロは金沢より100キロは近かったわ。でも今日はついにダウンしました。もう大丈夫ですよ。

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