祈りの島・上五島へ ― 水鏡の教会とやさしい聖母に出会う旅 ―

五島の旅二日目は、いよいよ上五島へ。
福江港を朝7時30分発のジェットフォイルに乗り、奈良尾港まではわずか30分。海の上を滑るように進み、あっという間に上五島へ到着した。

奈良尾港ターミナルでは、この日一日お世話になる「有川タクシー」のドライバーさんが出迎えてくださった。
五島へ出発する前日、びっしりと書き込みされた旅程表が送られてきた。それを見た瞬間、「これはもうお任せした方が間違いない」と確信。全幅の信頼を寄せ、コースはすべてお任せ
することにした。
以前は福岡で営業マンをされていたというドライバーさんは、とにかく説明が上手い。移動中も上五島の歴史や教会について丁寧に話してくださり、おかげでこの日は観光だけでなく、これまで知らなかったカトリック文化についても多く学ぶことができた。
上五島には29ものカトリック教会が点在している。
まず渡されたのは、スタンプラリー付きの「教会マップ」。各教会には番号が振られていて、自分で確認しながら巡礼気分で回れるようになっている。実に至れり尽くせりだ。
最初に案内されたのは「若松大浦教会」。
民家風の小さな教会堂で、十字架がなければ通り過ぎてしまいそうなほど静かに佇んでいる。昭和元年(1926年)創立。昭和20年代には民家を借り受けて聖堂として使用していたそうで、現在は桐教会の巡回教会となっている。

特に印象的だったのは、祭壇上部に安置された聖母像。
信徒の方の手作りだそうで、一般的にイメージする西洋風の聖母とは違い、「五島に根付いたやさしい日本の母」の面影を感じさせる。素朴で温かく、深い信仰心が伝わってくるようだった。
続いて訪れたのは、朝ドラ『舞いあがれ!』の舞台として知られる「中ノ浦教会」。
入江の静かな水面に教会堂が映り込む風景はとても美しく、「水鏡の教会」と呼ばれているのも納得である。

残念ながら教会内部は撮影禁止。写真は残せなかったが、内部も実に印象深かった。壁には椿の花が描かれ、美しいステンドグラスが柔らかな光を落としている。静寂の中にどこか温もりを感じる空間だった。
さらに興味深かったのが、壁に描かれた椿の花。
通常、椿の花びらは5枚だが、ここに描かれている椿は上下左右に4枚。これは十字架を表現しているのではないだろうか――そんな想像を巡らせながら眺めていた。
教会ごとに異なる歴史や祈りの形があり、上五島の教会巡りは単なる観光ではなく、人々の暮らしや信仰に触れる時間でもあった。
明日へつづく。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。












この記事へのコメントはありません。