夕陽を諦めても心に残った大瀬埼灯台

大瀬埼灯台は、予想以上に遠かった。

福江島最西端の大瀬埼灯台へは、高浜海水浴場から入り組んだ海岸線の道を30分ほど走る。ようやく灯台を見下ろす展望所へ着いた。

海へ突き出した断崖絶壁の先に、白い灯台が建っている。青い海とのコントラストは見事で、「日本の灯台50選」に選ばれているのも納得の風景だった。

ここは九州本土で最も遅く夕陽が沈む場所として知られ、夕暮れ時が特に美しいという。だが、福江の町までは車で1時間ほどかかる。五島の町は18時を過ぎると驚くほど静かになり、旅人としては夕陽を待たずに戻るしかなかった。

しかし、展望所へ行くだけでも楽ではない。駐車場からは急な坂道と階段が続き、足はがくがく、息はゼイゼイ。ようやくたどり着いて灯台を見ると、さらにその先までかなり歩くらしい。案内を見た瞬間、今回は無理だと諦めた。

これまで訪ねた灯台は、たいてい車で近くまで行けた。しかし大瀬埼灯台は違う。人を簡単には寄せ付けない断崖の先に、その姿を置いている。

ここは映画「悪人!」のロケ地としても知られている。けれど実際に立ってみると、そんな説明より、ただ景色に見入ってしまった。

そして、この灯台の写真は3枚しかない。

疲れ切って写真を撮る気力がなかったのもあるが、それ以上に、ただ黙って海と灯台を眺めている時間の方が長かった。

ここを訪れるなら、帰りの時間に追われない余裕を持った方がいい。展望所はいくつかあり、角度を変えながら絶景を楽しめる。時間をかけて歩いて行くだけの価値がある場所だと思う。

福江へ戻る途中、鐙瀬溶岩海岸に立ち寄った。約5万年前、鬼岳付近の噴火で流れ出た溶岩によってできた海岸だという。

名前だけ聞くと恐ろしげな鬼岳だが、今は緑の芝生に覆われた、お椀を伏せたような優しい山だった。

町が静まる前に福江へ戻り、この日のドライブは終わった。

朝から16時間近く動き続けていた。
さすがに疲れた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

生活・文化の情報収集

ブログランキングで生活・文化関連の情報を収集できます!
ページ上部へ戻る