日本一美しい海へ――福江島・高浜海水浴場と魚籃観音展望所

福江島一日コースの後半は、絶景を求めて五島を代表する高浜海水浴場へ向かった。
高浜海水浴場のそばを走る国道384号線は、「日本の道百選」に選ばれており、どこまでも続く青い海を望む絶景ドライブコースとして知られている。
魚籃観音展望所から見渡す景色が素晴らしいと聞いていた。魚籃観音展望所は福江島西側の三井楽町、高浜トンネル脇の急斜面を登った先の断崖にある。ほんのわずかな距離とはいえ、赤土の坂道を歩くとは思っていなかった。
大したことのない坂道と言えばそうなのだろう。けれど、足に不安を抱える私にはかなり堪える坂道だった。
しかし、登り切った瞬間、そのしんどさは一気に報われた。
目の前に突然現れたのは、「日本一美しい海」と呼びたくなる光景だった。
海を見守るように立つ観音像のある高台からは、広大な東シナ海を一望できる。海水浴場の浅瀬は透明度の高いエメラルドグリーン、その先にはコバルトブルーの大海原が水平線まで広がっていた。

息をのむほど美しい海辺の風景だった。
初めて訪れたはずなのに、どこか見覚えがある。調べてみると、2024年のドラマ 海に眠るダイヤモンド のロケ地だった。さらに、朝ドラ 舞いあがれ! のロケ地でもあったという。
テレビで見とれていた海が、今、目の前に広がっていた。
眼下には二つの海水浴場が見えた。景色を眺めていると、どこからか説明する声が聞こえてきた。
「向こうに見える浜は浅瀬やけん、子どもの海水浴に向いとるんよ」
声の方を見ると、鉢巻きをした若者がいた。最初はガイドさんと一緒に来ている観光客かと思った。
話をしてみると、若者はヒッチハイクで日本四周の旅の途中で、隣にいた年配の男性は、たまたま彼を乗せてここまで案内してきたドライバーだということが分かった。
親子ほど年齢の離れた二人だったが、福江の人は穏やかで優しい――そんな印象そのままの光景だった。
日に焼けた細身の青年は、屈託のない笑顔を浮かべていた。
「自分探しでもしてるの?」
そう聞くと、青年は素直に「そうです」と答えた。
「旅の資金はSNS発信から?」
「はい。TikTokやってます」
なるほど、現代らしい旅の形だなと感心した。
一期一会の出会いを胸に、私たちは次の目的地へ向かった。
次は、さらにきつい坂道が待っていた――大瀬崎灯台である。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。












この記事へのコメントはありません。