次の総理は誰か一国民としての考察

石破総理の続投に反対する勢力は、依然として強い存在感を示している。たとえ石破氏が日米間の相互税率交渉において、米側の要求であった25%を15%まで引き下げるという実績を上げたとしても、その功績だけで政権が安定するとは限らない。実際、8月引退説が、続投宣言からわずか5日後に報道されるという事態も起きている。また夕方には引退は打ち消された。益々政治は分からない。
こうした情勢の中で、次期総理をめぐる動きが一気に加速しつつある。有力候補の一人として注目されているのが、高市早苗氏である。前回の総裁選で次点となった経緯もあり、再び表舞台に立つことが現実味を帯びてきた。
仮に高市氏が総理となれば、日本で初めての女性総理が誕生することになる。女性の政治参加の象徴として、その意義は大きく、多くの女性からの支持を集める可能性もある。一方で、彼女の政策スタンスは憲法改正や防衛力強化など、保守的な色彩が強いため、「右寄りすぎる」との警戒感も根強い。明確な主張は評価されるべきだが、それが社会の分断を招く可能性を否定できない点には留意すべきであろう。
正直に言えば、私は高市氏について詳しく知っているわけではない。もちろん石破氏についても、これまで強い関心を抱いていたわけではなかった。しかし、政治が大きく揺れ動く今のような局面においては、否応なく各党の主張や候補者の人物像に耳を傾けるようになった。政治というものは、遠い世界の話のようでいて、実は私たちの暮らしに深く関わっている。知らないままで済ませてよいはずがない。
さらに懸念されるのは、短期での再解散や政権の総辞職によって、野党連合が政権を握るような展開である。もちろん、それ自体を否定するつもりはないが、現状の野党勢力には、理念や政策よりも「反与党」の姿勢が目立つ印象がある。ムード先行の新党や、急ごしらえの連合が乱立する中で、本当に統一感のある政権運営が可能なのかについては、甚だ疑問である。政権が安定しなければ、外交、経済、安全保障といった重要課題への対応も揺らぐことになるだろう。
いま、日本の政治は明らかに漂流の兆しを見せている。「船頭多くして船山に登る」とならぬよう、私たち一人ひとりが冷静に現状を見つめ、声をあげ、判断していく姿勢が求められている。
このブログを書きながら、自らの論点が飛躍しているのではないか、あるいは理解が浅いのではないかと書くことを躊躇する気持ちもある。
それでも、これからの50年、100年先の日本を思うとき、戦後を生きてきた一人として、次の世代に平和な世界を渡したいという思いを止めることが出来なかった。
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