北海道最後の食事

今回の北海道は、帰りの便がいつもより早い午前11時になった。

札幌から新千歳まではかなり時間がかかる。
午前8時には札幌を出なければならない。
本来なら千歳の空港ホテルに泊まるのが正解であろう。
が、しかし最後は札幌でお寿司を食べたいというのが、譲れなかった。

この頃は、回転寿司がお腹に合わせやすい。
それに、かなり美味しい。
しかも、寿司の名店の四分の一ほどの価格。
三拍子そろって、私の好みである。

北海道には、ネタの大きさで有名な「トリトン」という回転寿司がある。
実は今回、北見でのランチはトリトンの予定だった。
ところが、家人も私も昼食が入らないほどお腹がいっぱいで、泣く泣くパスしてしまった。
これが、ちょっとした心残りになっていた。

北海道最後の食事は、札幌駅の「回転寿司 根室花まる」にと事前に目標を絞った。
そのために、すぐ近くの三井ガーデンホテルを予約するほど念を入れている。
さて、その花まるである。
ホテルから歩いてすぐに行けた。
散歩程度の程よい距離と、夜の札幌の雰囲気も感じられる。
我ながら、上手いチョイスだと悦に入った。

しかし、店の前は長蛇の列。
聞いてはいたけれど、驚くしかない。
番号を取ると、414番だった。
今は300番台の人たちが入っている様子だ。
順番が近づけばスマホに呼び出しがあるので、とりあえずその場を離れた。
大丸の地下街を見学するつもりだったけれど、どうにも体が動かない。
デパートの休憩用の椅子に座り込み、ウトウトしながら順番を待った。
1時間は待ったと思う。
けれど、いい休息になったので、それほど長く待ったという気はしなかった。

そして、いよいよ期待のカウンターへ。
ここは今どき珍しく、オーダーを紙に書いて、目の前の職人さんに手渡す形式のようだ。
さて、何から頼もうか。
紙に書く間もなく、目の前には大トロの皿が流れてきた。

これはもう、考えている場合ではない。
まずはお茶をいただき、大トロを一貫。
口に入れて、ようやく人心地ついた。

さて、ここから注文を考える。
このオーダーのタイミングが微妙である。
職人さんは絶えず手を動かしているので、気遣いの家人は声をかけられない。
「おねがいしまーす」と、私が声をかけた。
職人さんは笑顔で受け取ってくれた。
それからのオーダーはスムーズで、「牡丹エビ」も「ウニ」もお望み通り。
美味しい、美味しいと夢中で食べた。

この日は「カンパーナ」のハヤシライスを食べ損ねているので、久しぶりに空腹である。
空腹というのは、最高の調味料なのかもしれない。
なにを食べても美味しい。
そして、北海道最後の夜に、ようやくたどり着いたご馳走。

大満足である。

北見で「トリトン」を食べ損ねたのは心残りだけれど、それは次回のお楽しみということにしておこう。
北海道最後の食事は、「根室花まる」。


札幌の夜を歩き、長い行列に並び、待った甲斐のある、北海道の旅の締めにふさわしい夕餉となった。

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