松本で外せない一日 ― くらすわのランチと陶片木

松本の旅の楽しみは、やはり食べることに尽きる。
市内には気になる店がいくつもあるが、私が迷わず向かうのは、養命酒が手がけるレストラン
くらすわ だ。
日本蕎麦の名店にできる長い行列を横目に、私はいつも「くらすわ」に直行する。
この日は魚料理がメインのランチを選んだ。
運ばれてきた一皿を見て、思わず目が止まる。

鰆が厚く切られ、皮を上にして皿の中に立てられている。
その下には、大根おろしに醤油を合わせたジュレ。
さらに皮の上には、刻んだ山芋と葉わさびを和えたものがのせられ、その上から水菜が軽やかに添えられている。
見た目の斬新さもさることながら、口に運べば、葉わさびのほのかな辛みと山芋の食感が心地よく、実に新鮮な味わいだ。
これにご飯と味噌汁が付き、さらに地元野菜のビュッフェは自由に楽しめる。
ドレッシングやソースを変えながら、さまざまな味を試せるのも嬉しい。
別料金ではあるが、フリードリンクに加え、デザートまで用意されている。
どの料理にも、どこか養命酒らしい滋味深さが感じられる。
松本には他にも美味しい店をいくつか知っているが、
時間の調整がしやすく、満足度も高い「くらすわ」は、今のところ私にとってのベストだ。
旅先で人が求めるものは、結局のところ「見る・食べる・買う」に尽きる。
食後は、くらすわからほど近い
中町通り を抜け、陶片木 へ向かう。


今回の目的は最初から決まっていた。
評判のまな板を手に入れることだ。
店に入ると、すぐ目に入る場所にそのまな板が置かれていた。
ところが声をかけてみると、それは見本品で、持ち帰れる在庫はないという。
どうやらここでも、中国人観光客による“爆買い”の影響があったらしい。
入荷次第発送もできるとのことだったが、私はその場で受け取る楽しみを取りたい。
結局、次回は事前に電話を入れてから来ることを約束して店を後にした。
「くらすわ」でのランチと「陶片木」での買い物。
この二つが揃ってこそ、私の松本は完成する。
どちらかが欠けたままでは、どうにも街を離れる気になれない。
それほどまでに偏愛している、松本での定番コースである。
松本は、小さいながらも洒落た空気を持つ、魅力的な町だ。
だから私は、またここに戻ってくる。
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