黒いクリスマスローズの行方

花友達に、黒いクリスマスローズをお譲りした。
すぐ近くに住む彼女は、看護師として働きながら、花とワンコをこよなく愛している。

夜勤明けでもワンコの散歩に出て、そのあと庭に出て花の世話をする。いつ眠っているのだろうと思うけれど、会えばいつもにこやかで、花やワンコの話を楽しそうにしてくれる。

ある日、彼女が言った。
「黒いクリスマスローズ、ずっと探しているんですけど見つからなくて」

そんなこと、早く言ってくれればよかったのに、と思う。けれど彼女は「見つけられない花は貴重品だから」と遠慮がちだった。

このクリスマスローズは、skogの庭を作ってくださった風雅舎の加地さんからいただいたもの。もう20年になる。いくつかの鉢に増えていたので、ひと鉢をお譲りした。

これから彼女の庭で、また長く咲いてくれるだろう。そう思うと嬉しくなる。私も好きで大切に育ててきた花だ。今回はいちばん大きく育った鉢を選んだ。

私はもう、以前のようには育てられない。だからこそ、望まれてもらわれていくのは幸せなことだと思う。

そう考えている自分を、どこか遠くから眺めているもうひとりの私がいる。
――変わったなあ、としみじみ思う、今日この頃である。

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