みんな歳を重ねていく

早朝、クレマチスの剪定をしようと庭に出た。
手を伸ばした、その瞬間だった。
腰がピタリと固まって動かなくなった。
まだ何もしていない。
「これから」という時に腰がブロックしたのである。
そういえば昨日の夕方、夕食を作っている頃から背中や腰に張りを感じていた。
この一週間は何かと慌ただしかった。
六月は家人の頭痛に始まり、帯状疱疹で入院。
七月になった途端、今度は私が腰痛である。
もう笑うしかない。
高齢者の暮らしは、なかなか予定通りにはいかない。
そう思っていたら、我が家にはもう一人、いや一台の古株がいた。
十年で二十万キロ以上走った車である。
買い替えるか、このまま乗り続けるか。
迷っているうちに、車の方が「もう無理です」と言い始めた。
ラジエーターファンを修理したばかりなのに、今度はフロントガラスにひびが入った。
けれど、この車は本当に乗りやすい。
もう満身創痍だから、小さな傷など気にもならない。
そんな気楽さまで愛着になっている。
家ももう半世紀近い。
「遺跡になるわ」と冗談を言っているけれど、こちらも修理を重ねながら今日まで暮らしてきた。
考えてみれば、みんな歳を重ねている。
家人も、私も、車も、家も。
だから無理をせず、手を掛けながら付き合っていけばいい。
それが今の暮らしなのだと思う。
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