異変は、こうして静かに広がる――連休に訪れた膝の痛み

災いは忘れた頃にやって来る、とはよく言ったものだ。
何が起こるか分からないのが日常とはいえ、家人がきなこの散歩から帰るなり「左膝が痛い」と言い出したときには、さすがに驚いた。しかも、あっという間に体重をほとんどかけられない状態にまで悪化している。
折しも連休中。救急で受診しても整形外科の医師に診てもらえるとは限らないし、過去には苦い経験もある。結局、ネットで調べて予約を取り、ようやく昨日の受診にこぎつけた。
当の本人はというと、自分の身に起きたことが信じられないのか、できるだけ普段通りに過ごそうとしている。
初日はステッキをついておぼつかない足取りだったのに、翌日にはそれも手放し、よたよたと歩いている。
見ていて次に思い浮かぶのは、転倒だ。
ちょうど一年前、私自身が経験したことでもあり、その心境は痛いほど分かる。しかし、まさにこの時期こそが、その後の経過を左右する大事な分かれ目でもある。
連休の狭間のクリニックは、案の定患者であふれていた。貴重な診察日なのだから仕方がないとはいえ、「どうしてよりによって今なのか」と、つい恨めしくもなる。
とはいえ、去年はずいぶんと付き添ってもらった身だ。今度は私が支える番である。
診断結果は、やはり変形性膝関節症。
ただし幸いなことに初期段階だった。左膝が痛むものの、レントゲンでは左右ほぼ同程度とのこと。いずれ右にも症状が出る可能性があるという。
つまり、ここでしっかり向き合うかどうかが肝心だ。
これに懲りて、大腿部の筋肉を鍛えるリハビリを始めなければならない。
ようやく現実を受け入れたのか、家人は「まさか自分が」とこぼした。
だが、災いは誰にでも、そしていつ訪れるか分からない年頃である。
そういえば、今月の10日にはまたひとつ歳を重ねる。
体の声に、これまで以上に耳を傾ける時期に来ているのかもしれない。
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