秋が進み姉母は元気になった ‐ 進まない高齢者への手助け

春から夏を過ぎて既に秋の気配がする。
姉母の入院も、もう直ぐ半年目に入る。
脳梗塞を起こしたり手術後は意識不明になったり、随分不安な日々もあったけれど、この頃は容態も安定して穏やかな日々を過ごしている。
リハビリ棟の廊下は常に誰かが看護師さんに付き添われて歩行訓練をしているので、姉にもいつかそんな日が来るのだろうかと思っていたら、先週から歩行器で廊下の散歩が出来るようになった。
散歩が出来るようになると、退院は近い。

麻痺の右足が遅れがちなのに、左足を直ぐに出して右足の踵にぶっつけていた。
麻痺している足は相当に重いのだろう。
支えがあるから転ばないけれど、まだまだ歩けるとは言い難い。


車いすからベッドに移ろうとしている所に私が行き合わせて、看護師さんが「アラッ」と声を上げた瞬間に「何?」と姉が振り返ろうとしてバランスを崩しベッドに頭から落ちた。
助ける間もなかったが、なんと姉は健常な左手でベッドの手摺をつかみ、仰向けに倒れながら照れ笑いをしていた。
「大したもんだ」と感心したけれど、危険は至る所にある。

姉と親しくしてくださった患者さんが次々に退院されるので、自分の行き先が不安になるようだ。
看護師さん達に「私は帰る家がございません」と言っていると聞いた。
今まで住んでいた家に帰れないと言うのは、想像以上に辛いだろう。
しかし、一人暮らしをさせるわけにはいかない。

今度の選挙は少子高齢化を見据えて、児童子供に手厚い社会を目指していると言う。
少子対策はもちろん大切だけれど、政府補助を増してもライフスタイルが変わってしまった今、急激な回復があるのだろうかと疑問を感じる。
それよりも高齢化は進み100才の親を80才の子供が見ているケースがどんどん増えるだろう。
夫婦の場合はもっと老々介護になり共倒れになるだろう。
団塊の世代の介護が始まるまでに何か打つ手はないだろうか。
少子は聞こえるけれど高齢の所も聞かせて欲しいものだ。


先日行った立山の室堂に車いすで出来ているご夫婦がいた。
頼りなげに車いすに座る夫人を見守るご主人。
夫婦でなければここまでは連れてこれないなーとしみじみ感じた。
若い時の思い出でもあるのだろうか。
幸せな風景だった。

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