庭木も歳を取る

限界集落となった私の住む団地の道を歩くと、空き家が目立つようになった。

そして、その空き家以上に気になるのが、庭に植えられた大木である。
二階はおろか、その上まで伸びた木も珍しくない。

台風のたびに、
「倒れたら電線を切るのではないか」
と、ここ数年気になっていた。

ところが、ふと我に返ると、我が家のコニファー・ブルーアイスも、いつの間にか二階の高さに届いていた。
昔、小さなバスケットの寄せ植えに使った木を、庭へ下ろしたものである。
銀青色の葉が美しく、触れると爽やかな森林の香りがする。
クリスマスのリースには主役のような存在だった。

好きな木だったから、
大きくなり過ぎることなど考えもしなかった。

他所の大木ばかり気にしていたけれど、
改めて我が家の木を見ると、
もう放置できない大きさになっていた。

ご近所さんも、内心では心配しておられたかもしれない。
以前、家人が、
「大風の日には、根が揺れて地面を持ち上げるようだ」
と言っていたことを思い出した。

けれど、その頃の私は、そんな言葉をどこか聞き流していたのである。

柔らかい木なので、時々家人が枝を透かしていた。
けれど、大きくなり過ぎた木は、切った後の始末も大変だ。

夏の間はこのままにして、秋になったら切る予定でいる。

本当は、もっと早く小さくしてやれば良かった。

そう思う。

けれど、長い年月を共にした木は、簡単には切り難い。
庭木もまた、気づかぬうちに歳を取っていくのだろう。

皆さまも、どうぞ庭の木から目を離されませんように。

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