軽さがくれる、小さな自由

最近、身の回りの「毎日使うもの」を少しずつ軽くしている。
たとえば台所で使うボール。
これまではステンレスの、ぴかぴか光るものを使っていた。料理番組や本でもよく見かけるし、それだけで料理上手になったような気持ちにもなる。見た目も良く、どこか手放しがたい存在だった。
ある日、娘がポリカーボネート製のボールをネットで買った。
軽くて丈夫、レンジにも使え、透明で中身も見やすい。さらに注ぎ口までついていて、実に使い勝手がいい。
それ以来、自然とそのボールを手に取るようになった。それでもステンレスのものも捨てきれず、重ねて置いたままにしていた。

しかし数が多いと、かえって取り出しにくい。
思い切ってステンレス製のボールをすべて外してみた。
するとどうだろう。料理中の取り回しもよく、洗って片付けるのも楽になった。
何より「軽い」ということが、こんなにも気持ちを前向きにするとは思わなかった。
次は歯ブラシの話。
私は長く電動歯ブラシを使っている。回転数の高さに惚れ込み、これで完璧だと思っていた。
ところが歯科検診で、奥歯の一か所に磨き残しがあると言われた。自分では丁寧に磨いているつもりだったので、少し驚いた。
それからは意識して磨くようにしていたが、ある日、歯科で勧められた「つまようじ法 V7歯ブラシ」を使ってみた。すると、まず感じたのは「軽さ」だった。
電動歯ブラシはモーターが入っている分、思っていた以上に重い。その重さが、知らず知らずのうちに手の動きを制限していたのかもしれない。
軽い歯ブラシで磨くと、奥も前も驚くほど自然に動かせる。
十年以上忘れていた昔ながらの歯磨きが、こんなにも快適だったとは。
歯磨きの小さなストレスは、実は歯ブラシの重さにあったのだと気づいた。
体力や今の自分に合わせて、身の回りを見直していく。
ほんの小さな工夫で、日々の中にある見えない負担がすっと軽くなる。
「軽くする」ということは、ただ物の重さだけでなく、気持ちまでも軽くしてくれるのだと、最近しみじみ感じている。
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