圧力鍋で楽しむ、贅沢なごはん時間

炊飯器のスイッチを押すのが当たり前だった私が、「圧力鍋炊き」に目覚めてから、もう15年近くが経つ。
きっかけは、炊飯器を買い替えようかと迷っていた時だった。
年々炊飯器は高価になり、機能も複雑になる一方。
それなら、いろいろな料理に使えて、しかも手頃な圧力鍋のほうがいいんじゃないか――そう思ったのが始まりだった。

初めて圧力鍋で炊いたごはんを口にしたとき、そのおいしさに驚いた。
ふたを開けた瞬間、立ちのぼる湯気。
粒が立ってつやつや光る白米。
同じお米なのに、炊飯器とはまるで違う顔を見せてくれる。
作り方はいたって簡単。
米の上に3ミリほど水を張り、強火で加圧。
ピンが上がったら弱火で4分ほど。火を止めて、ピンが下がるまで蒸らすだけ。
これだけで、驚くほどもちもちのごはんになる。
圧力の力でお米の芯まで一気に熱が通り、甘みがぎゅっと濃くなるのだ。
おかずがシンプルでも、ごはんそのものがごちそうになる。
ところがこの話をしても、誰も本気にしてくれない。
「手間がかかるからイヤ」と言われる。
たしかに、炊飯器のようにスイッチひとつで放っておけるわけではない。
でも、実際は思うほど手間じゃない。
ピンが上がるまでおよそ3分(米の量にもよる)、そこから弱火で4分。
あとは蒸らすだけで、10〜15分もすればほかほかのごはんが炊き上がる。
炊飯器で50分かかっていたのが嘘のようだ。
同居している姪も、すっかり圧力鍋の魅力に取りつかれてしまった。
「京都に帰ったら、自分でも圧力鍋で炊きたい」と言って、とうとう買ってしまったほど。
新しいものにはめったに興味を示さない姪が、である。
ちなみに我が家にはコーヒーメーカーもない。
家人が毎朝、ドリップで丁寧にいれてくれる。
「冷めない?」と聞かれるけれど、もちろん冷める。
それでも、火にかけて温め直し、熱々で出してくれる。
炊飯器もコーヒーメーカーもいらないおかげで、狭い台所がずいぶんすっきりした。
もし、高価な炊飯器にちょっと抵抗を感じているなら、思い切って圧力鍋炊きに挑戦してみてほしい。
きっと、ごはんの概念が変わる。
そして、「ごはんを炊く」という行為そのものが、少し特別な時間になるはずだ。
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