庭の土物語

雨上がりの比良連峰

「暑さ寒さも彼岸まで」とは言うけれど、滋賀の住民は26日の比良八講が終わるまで気を緩めない。
それにつけても今年の気温差はどうだろう。
今年の春は一進一退、ソロソロとしとやかに訪れるので、一日で10℃くらいの気温差を起こす
一昨日、暖かい日を利用してニセウオールの前に薔薇の植え込みをした。
その場所は30年間土を入れ替えた事のない場所なので覚悟はしていたけれど、想像を絶する粘土が深く横たわっていた。
掘ってみるとねっとりと粘り気のあるブルーの土だ。
すぐにでもお茶碗が出来そうと思うけれど、庭には招かざる土でしかない。
家人は根気強く掘り返し、ブルーシートの上に置いていき、それをふるいにかけて粘土を取り除く作業をモクモクとこなす。
土は体中の関節が悲鳴を上げるほど重たかったが夕方までには何とか始末した。
新しい土を梳き込み、ふかふかのベッドを作り、今年中には花を見せて欲しいものと念入りに植えた。
捨てた土も半端なく多かったけれど、買う方も半端なく買った。
それが昨日からの雨で今朝見ると土は半分以下の嵩になっていた。
一昨日入れた土はどこに行ったのだろうと言う有様だ。
明日、雨が上がればまた土を買いに走らねばならない。
白状すればマンションから一戸建てに越した30数年前、これでプランタンや土を買う事もなくなると安堵したものだった。
花を植えられない土があるなんて思ってもみなかったのだ。
我が家の庭はスコップでは掘れないほどの堅い粘土層の上にあった。
又、プランタンを買い、土を買い何となく損をしたような気分にもなった。
その土の上に新しい土を入れ続け、庭仕事という楽しみを見つけた。
祇園に行ったと思えば安いものよといえば、祇園の支払いは土じゃなくて家が買えると混ぜ返す人がいる。
現役時代に朝帰りが続いた家人も今ではモクモクと土を掘る人に落ち着いた。
めでたしめでたし。

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