牛蒡を刻んで無我の境地

スーパーで牛蒡と蓮根を見ると、考えなしに買ってしまう。
牛蒡の匂いと、蓮根のシャキシャキ感が好きなのだ。
金沢の蓮根は加賀蓮根と呼ばれ、シャキシャキ感の中にもねばりがあって、特に好きだ。
金沢で暮らしていた頃、蓮根の畑を見て暮らした記憶も懐かしい。
買ってしまうと安心するのか、いつまでも冷蔵庫の中に残ってしまうのも牛蒡と蓮根。
買ってきたら、前の牛蒡がまだ冷蔵庫の中にあるということもしばしば。
先日も、これをやってしまった。
かくなる上は、何としてでも牛蒡と蓮根を料理してしまわねば。
まずは牛肉と炊き合わせ。
野村紘子さんのレシピで、これは誰にも好まれる。
もう一品は、牛蒡サラダにした。
以前にきんぴらを作った時、娘が言った。
「牛蒡の切り方がいつも大きいのよね。ちょっと食べにくい」
この一言は効いた。
そこで今回は、気合を入れて細切りにした。
すると、刻んでいる最中に無我の境地になっていった。
いつ終わるとも知れないと思いながら、夢中で刻んでいた。
何もかも忘れて、牛蒡を細く切ろうと熱中していると、いい気持ちになってきた。
料理好きな人は、こんな境地を味わっているのかもしれない。
ちょっと料理が好きになったところで、蓮根もサラダに仕上げた。
これで、また牛蒡と蓮根を買っても大丈夫。
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