今年は果物についていない

今年はどうも果物についていない。
美味しい桃を求めて和歌山まで走ったのに、肝心のB級品が思っていた出来ではなかった。
すぐにコンポートを作ったけれど、色は冴えず、桃らしい香りもほとんどない。
私自身も疲れていて、作り方がどこか雑になっていたのだろう。

けれど、あの日買った五百円のサービス品は、やはり五百円なりだったと思う。
行列を間違えて並び直した結果、サービス品の列では最後の一人になってしまった。
一瞬、「やめようか」と思った。
それでも、二時間近く並んだ悔しさが勝った。
「あっ、チケットのお客さんが来られた。」
店の人のその声とともに、最後の箱を受け取った。
あの時、やめる勇気も必要だったのだと思う。

産直市場で買った桃は完熟し過ぎていて、種を取るだけでもひと苦労だった。
気持ちが晴れないまま作ったコンポートは、やはり期待した出来にはならなかった。
朝のジュースに入れて使い切り、残った桃はジャムに回した。
本当は、甘いシロップの中に淡いピンク色の桃が浮かぶ、あのいつものコンポートを作りたかったのである。

気分を変えようと思った。

先日見かけた「金色羅皇」というスイカが忘れられず、守山の産直市場へ向かった。
前回と同じように、高級品というより床にごろんと置かれている姿が私向きだ。
「今日はこれで気持ちを切り替えよう。」
そう思って、思い切って買った。
十年に一度あるかないかというほど、清水の舞台から飛び降りる気持ちだった。

帰るなり包丁を入れた。
糖度二十以上。
期待はどんどん膨らむ。
ところが、一口食べて思わず首をかしげた。
「あれ?」
冷やせば違うかもしれない。
そう思って冷蔵庫へ入れ、改めて食べてみた。
確かに中心は甘い。
でも、全体が甘いわけではない。
甘さにむらがあった。
これも期待したほどではなかった。

今年は、どうも歯車がかみ合わない。

桃でつまずき、
スイカでも肩透かし。
そして最後には風邪までひいてしまった。

失望も、自信喪失も、おっちょこちょいだった自分への苦笑いも、全部まとめて抱え込んでいる。

こんな時もある。
そう思うしかない今年の夏である。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

生活・文化の情報収集

ブログランキングで生活・文化関連の情報を収集できます!
ページ上部へ戻る