今日から夏

今年は、思いがけないほど早く梅雨が明けた。
去年はもっと早かったそうだが、その記憶はない。
覚えているのは、猛烈に暑い夏だったということだけである。
一年ほど前から、フライパンがツルツル滑らなくなっていた。
見た目はまだ十分きれいで、捨てるには惜しい。
だからイライラしながらも使い続けてきた。

けれど、「今日から夏」と思うほど強い日差しを浴びた途端、ふと買い替えようと思った。
毎朝使う道具なのに、なぜ一年も決断できなかったのだろう。
考えてみると、フライパンには「消耗品だから安いもので十分」という考え方もあれば、「毎日使うものだから良いものを」という考え方もある。
価格は実にさまざまで、その違いも大きい。
私はその間で、ずっと迷っていたのだと思う。
車やマンションを買うほど大きな話ではない。
けれど、毎日手にする小さな道具ほど迷うものなのかもしれない。
買うとなれば、口コミを読む。
「この値段で最高です。」
という人もいれば、
この値段だから、すぐ駄目になりました。」
という人もいる。
購入直後の感想と、使用後では違うのだろう。
朝の忙しい時間に検索している自分が少し可笑しかった。
そして、ようやく出会ったのが「SURUTTO」のフライパンだった。
Amazon primeで15パーセント引きというタイミングも、背中を押してくれた。
注文を終えると、不思議なくらい心が静かになった。
買ってしまえば、どうしてあれほど迷っていたのか、自分でも分からない。
けれど、そんな小さな決断ひとつで気持ちが軽くなることもある。
今年の夏は、新しいフライパンから始まる。
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