世界中が同じボールを追いかける日

FIFAワールドカップ2026、決勝トーナメント一回戦で、日本代表は優勝候補ブラジルと対戦した。
後半終了間際に勝ち越しゴールを決められ、一対二で敗れた。
結果は敗退だった。
それでも、四年に一度のワールドカップは、日本人を一つにした。
いや、それは日本だけではない。
世界中の人々が、それぞれの国を応援し、一喜一憂する。
国民が絆を意識するのは、こういう時なのだと思う。
決して戦争ではない。
近年、世界では大国同士の争いが続き、多くの人が不安な日々を送っている。
けれどワールドカップが始まると、人々は夢中になって一つのボールを追いかける。
隣にいる人と喜びを分かち合い、悔しさを共有し、国境を越えて同じ時間を過ごしている。
スポーツの世界にも政治が影を落とすことはある。
それでも試合が始まれば、選手たちの一瞬のプレーに息をのみ、歓声を上げ、ため息をつく。
その九十分間だけは、世界中の人が同じボールを見つめている。
月を見上げれば、世界中の人が同じ月を見ている。
太陽もまた、国境を越えて同じように昇る。
人は、本当は同じものを見て感動できる。
そのことを忘れなければ、世界はもう少し穏やかになれるのではないだろうか。
昨日ほど、スポーツが世界をつなぐ力を信じた日はなかった。
そんなことを思いながら、月を探してみたくなった。
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