細木数子は何者だったのか——ドラマを観終えて残った違和感

ネットフリックスで放映された、細木数子の半生を描いたドラマを観終えた。全9話という長編で、正直なところ途中で区切るのも難しく、結局は最後まで観てしまった。見始めると結末を見届けないと落ち着かない、そんな作品だった。細木数子が占い番組で活躍していた当時は、反発を覚えながらも、その強烈な個性に惹きつけられていたのも事実である。

フィクションとされているものの、あまりにも描写が生々しく、どこまでが事実でどこからが創作なのか、その境界はほとんど分からなかった。かつてテレビで見ていた彼女の強烈な存在感——とりわけ「あんた地獄に堕ちるわよ」という有名なフレーズには、当時かなりの反発を感じていた記憶がある。それが演出だったと言われても、それは強烈すぎた。

1945年、終戦直後の混乱期。食べるものにも困る生活が彼女の原点として描かれていたが、あの時代は多くの人が同じような状況に置かれていたのではないかとも思う。ただ、焼け野原となった東京で、当時7才ながらも生き抜こうとする姿は、やはり並大抵のものではなかったのだろう。私は当時の記憶はなく、しかも田舎育ちだったこともあり、そこまでの飢えの話は身近には聞いていない。それだけに、彼女の環境の厳しさは想像するしかない。

それでも印象に残るのは、小さなチャンスを確実に掴む感覚と、お金の匂いに対する鋭さだ。子供としては異例とも言えるその嗅覚は、後の成功に直結しているように感じた。

ただ一つ残念だったのは、彼女がどのようにして占いで名を成したのか、その核心部分の描写が非常に薄かったことだ。巨万の富を築いた背景には、必ず転機や決定的な出来事があったはずだが、ドラマではそこがさらりと流されてしまった印象を受ける。全体としては、まるで川の流れのように彼女の人生をなぞることに重点が置かれていたようだ。

銀座でのバー経営も、占いの成功も、人との出会いや運を瞬時に掴み取る力——その連続だったのだろう。結局のところ、彼女の人生は「運を掴む力」に集約されるのかもしれない。

とはいえ、細木数子をどう評価するかは人それぞれだ。稀代の詐欺師と見るか、占いの女帝と称えるか。いずれにしても、その存在が一つの伝説として語り継がれていくことは間違いないだろう。

観終えた後、心に残ったのはどこか苦味を伴う後味だった。それが彼女の人生そのものを映しているのか、それとも見る側の解釈によるものなのか——しばらく考えさせられる作品だった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

生活・文化の情報収集

ブログランキングで生活・文化関連の情報を収集できます!
ページ上部へ戻る