原田マハと私

何とも大袈裟な表題に「何事ぞ」と気になるお方もおいでかと思うけれど、がっかりしないで欲しい。
最近の読書は「原田マハ」の本が多い。
内容は深刻ではなく、単行本なら2晩あれば(ベッド内図書室で読むので)読了出来る。
そして何故「原田マハと私」なのかと言うと、私が思うに、失礼ながら、感性のツボがよく似ている。
だから、本を読みながら先の展開は予想できるし、ここは涙腺を刺激したいという意図で書かれたところでは、きっちり涙腺が緩む。

小説の世界がそうであれば「旅屋おかえり」や「フーテンのマハ」等で原田マハの素の姿に接すると、「ほら、やっぱり」となってしまう。

旅好きなところが一番似ている。
旅の目的も、美味しいものがある、花がある、美術館がある。温泉がある等と理由で決めるのも同じ。

そして、目的地もさることながら、道中から旅は始まる。
空間移動にワクワクするとなれば、全く同感なのである。
原田マハが、公共交通機関で移動して、乗り合わせた人たちの世間話を聞くともなく聞き、所作を観察するのは小説家故とは限らない。
それは、旅人の特権なのだから。
私の移動は殆どポンコツのマイカーだけれど、途中休憩や目的地では土地の人と接することが楽しい。
とっかかりは、土地のガイドさんと言う事もあるけれど、そこから人の関係はつながるものだ。

「フーテンのマハ」の中に「高原リゾート・アンド・ロー」と言うくだりがある。
そこで手を叩いた。
旅を重ねると、ハイクラスの旅は身に合わないと良く分かる。
名物の為に、そこに泊まる事はあっても翌日はビジネスでホッとする。
我が家の旅は、全て自分のまかないである以上、ハイクラスを続ける財源がないのは正直な話。
道の駅を楽しむから、高速道路は乗らないと言いつつも最近は乗れなくなった。
と、言うのはガソリン代の高騰、それに連なる諸経費の高騰がじりじりと締め付けてきた所為だ。
原田マハの理由とは違うが、彼女もハイの後に泊まるビジネスで解放されるらしい。
けれど、全てがローの旅は楽しくない。
1泊だけは豪遊するとか、お気に入りに出会えば迷わず購入するとか、ガス抜き方法までよく似ている。
原田マハに限らず、旅好きはみんなそんなものかも知れない。
私に妙に親近感を持たれて迷惑するかもしれないけれど、友人たちに「マグロ」と呼ばれるところまで同じなのだから仕方がない。

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