姉母の退院準備

長姉の退院が決まった。
全く起き上がろうとしないのでこの先はどうしたものかと家族はみんな心配している。
けれど入院している病院は急性期の病院なので、術後の抜糸が終わると出なければならない。

受け入れるホームで施設長さんやケアマネさんと打ち合わせをして、翌日は病院で主治医、看護師さんが参加して拡大会議。
そこで退院は20日土曜日と決まった。

長姉は偏食で好き嫌いが激しく、こちらに来てからの10年間食べさせることに苦労してきた。
関西の味は薄口なので姉の口には合いにくかった。
唯一お寿司と鰻は食べるので、逆に言えばそれを持って行けば食べさせることに成功した。
なので、過去に美味しかったと知っているものでないと珍しい果物があるからと持って行っても見向きもしない。
子供たちが持って来る珍しい菓子類は私に渡し、私が持ち込むものは子供たちに渡している節がある。
それを間違えて渡す事は無いという明晰な頭脳を持ち合わせている。
ホームの職員さんを名前で呼ぶのは入居者の中で姉だけだと職員さんに喜ばれるほど記憶力もいい。

ところが今回の入院ですっかり気力を無くして名前を呼ぶどころか、食事をとらなくなった。
今まで栄養補助食品のエンシュアを欠かさす飲んでいたので私達はエンシュアで10年生きたと感心していたものだ。
そのエンシュアも拒否するようになった。
アルブミン数値は2.7。
ところが肝臓、腎臓に異常はなく浮腫みもないので病院にいる必要がないというのが退院の理由だ。
数値がどうであれ、本人の気力は瀕死の人と変わらない。
励ませど、優しくしても、厳しく言っても自分では1mmも体を動かさない。
昼食だけでも車いすに座らせても10分と持たない。
「きつい、寝かせて」というと口を利かなくなる。

車椅子からベットに私が移乗させようとした時に本当に紙のように軽い姉の体重に驚いた。
啄木の「『戯れに母を背負いて そのあまり軽きに泣きて 三歩歩まず』を本気で感じた。

普通ベッドを電動ベットに変える作業を、昨日家人に手伝ってもらってやった。
貴重な晴れ間を利用して一気にやったら久しぶりに全身汗まみれになった。
そうしたら、6時間をぶっ通しで眠った。

熟睡の後、心が軽くなっているのを感じている。

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