桧原桜物語

博多の友人からJ.comの本の1ページが郵送された。

最近は心の痛むニュースばかりが流れ「どうにかならんのかあー」と思っていた時に、こんな美しい話が福岡にあったと知ると誇らしいという手紙が添えられていた。
私も久しぶりに心が潤った。
それは昭和59年に福岡市南郊の桧原住宅地にあった9本の桜木の内の1本が枝いっぱいに蕾をつけたまま切り倒されていたことから始まった。
近くの道路の拡幅工事によるものらしい。
翌日
花守り 進藤市長殿 花あわれ せめては あと2旬 ついの開花を許し給え
と書いた色紙が残る8本の桜木に結わえられていた。
それが新聞社に伝えられ「短歌に託し花の命乞い」とスクープされた。
その後、花の延命を願う市井の人々の歌や句が次々に桜の木にかけられた。
その中の一つに
桜花惜しむ 大和心の うるわしや とわに匂わん花の心は
の1首があり、雅号「香瑞麻」から進藤市長の返歌であることが分かった。
ついに道路計画は見直され、桜の若木が植えられた。
それから25年、桧原桜は今年も咲きはじめた。
道路が優先されるか桜を守るか市民が選んだことになる。
ガソリンの暫定税率の失効が確定し、道路、道路の大合唱の中でこの話は人の心にどう届くのだろうか。

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