蛍川

5月企画展の作家、小宮山さんから守山市の源氏蛍の話を聞いた。
琵琶湖にかかるびわ湖大橋を渡るとそこは守山市、その近さにいながら蛍のことは全く知らなかった。
守山の川に蛍が湧いてくるという。
急に宮本輝の小説「蛍川」が浮かんできた。
はっきり覚えているわけではないけれど、川の中から蛍が湧いてくるさまが神秘的に書かれていたように記憶している。
そしていつか本当に沸くところを見たいと思っていた。
そんな近くで蛍が湧いてくるなんてにわかに信じられなかったけれど、兎に角行ってみたい。

昨日はKUSUYOさんが障害者支援施設「蛍の里」でチャリティーコンサートを行った。
今にして思えば守山市の施設だから「蛍の里」というのだろう。

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髪を短くカットしたkusuyoさんは若々しく、いつもより大きなジェスチャーで「ありがとうごめんなさい」や「空飛ぶうさぎ」障害者の方が作った歌を歌った。
「浜辺の歌」をみんなで歌うと入所者の方々はkusuyoさんの横に並びジェスチャーを真似して歌い始めた。
EZTVやびわ湖放送のテレビ局もやってきた。
入所者の方々の大きな歌声は上手に録れたでしょうか。
チャリティーコンサートが終わると、泣き出す方、握手を求めてくる方々にKusuyoさんはしばし取り囲まれていた。
大きな感動を起こすコンサートだった。

そして夕刻、といっても4時には蛍は出てこない。
蛍の季節に合わせて開催されるパーク&ウオークでバル廻りが出来る。
前売り券を購入すると1店舗600円でワンドリンクと小さな食事が提供される。
5時までの時間は大きな鯉が泳ぐ池に面したホールでゆっくり寛ぎ、事前情報もしっかり聴きこんだ。
その甲斐あって、創業より1世紀を経た魚和さんは素晴らしいお料理だった。
スズキを焼いたひと品を頂いていざ2店舗目

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カメラは持ち歩かなかったので、友人の携帯カメラの画像

2店舗めは咲蔵さんの近江牛握り
おいしゅうございましたが既にワンドリンクの烏龍茶でお腹がぼとぼと。

3店舗目は門前茶屋 かたたや
築180年の建物の中は大きな梁がでて威風堂々。
どうやら鳥料理らしい。ちょっと苦手

アルコールを取られる方はかなり有利な企画と思った。
我が家のように下戸ばかりでは割り勘負けの感が拭えない。

それでも外は明るい。
川の傍の階段に腰をかけて蛍の乱舞を待ち続けた。
大きな駐車場はいっぱいで川に向かって、お祭りのように人並みが続く。
蛍の好きな人が多いということだろう、同感する人が多いと嬉しくなる。

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綺麗な夕焼けも終わり、夜の帳が降りてきた。
川に沿ってかなり歩いたけれど、蛍は飛んでこない。
小宮山さんが「もう、終わりかけかも」といった不吉な言葉が頭をよぎる

いくら待っても出てこない蛍に愛想を尽かして、帰ることにした。
kusuyoさんの家の近くまで来ると橋のたもとに地元のご夫婦の姿。
「蛍見物ですか」と声をかけると「そうだ」という返事
「いますか」「いますいます、すぐそこに」
川沿いの足場の悪い道をどんどん案内してくれた。
「この場所からこっちを向いて」と言われた場所には大きなゲンジボタルが、たかーく飛んでいた。
夜も8時を回る頃蛍はドンドン多くなった。
初めて見る幻想的な風景。
蛍川の小説のように、湧いてくるとか群生するとかではなかったけれど、見たこともない風景だった。
ふと、気がつくと家人の姿はなく、呼んでも返事がなかった。
小説を思い出し、ゾッーとした。
家人は道端に止めた車が気になるからと一足早く車の下に帰っていた。
多分そうかなと思ったけれど、ふっと不吉なことを想像するほど蛍は幻想的だった。

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コメント

    • ♪風の恋人
    • 2013年 6月 11日

    幻想的なほたる、う~ん 見るのは何年ぶりかな?
    記憶に無いくらいだから100年も前かも(笑)。
    でも、いつしか こんな風景を忘れていました。
    久しぶりに昔の子供の時のようにはしゃぎましたね。
    そしてその前に蛍の里で赤いほたる、白いほたるを見る
    ことが出来てとても良かったです。
    新曲のCDのジャケットも素晴らしいし、Kusuyoさんの
    歌は最高です。まさに歌姫(さん)です。
    Kusuyoさんの優しい笑顔が施設の人たちにとって癒された
    ことでしょう。
    また、お会いしたくなります。
    あっ、ここはSkogのブログでしたね、失礼いたしました(笑)。

    • skog
    • 2013年 6月 11日

    風の恋人様
    こちらはskog blogでございます。kusuyo blogはあっちの水で飛んでおりまして更新が間に合いませんね。
    それにしても蛍、最高でしたね。

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