柿好きの干し柿騒動記

春に買って来た信州の風景写真集を見ていたら、家の周りをぐるりと囲む干し柿の写真があった。
市田柿の産地は信州の大森町だったと知ったのはその時だった。
干し柿は山形県で作られているものと思い込んでいた。
そうなると、柿好きはいてもたってもいられず、直ぐに見に行くことにした。

大森町の役場に電話をし、どこに行けば見られるのだろうかとお尋ねした。
すると、電話に出て下さった女性は気の毒そうに「最近は軒先に吊るすことが出来なくて、ビニールハウス内になりました。それも厳重に衛生管理をしているので、写真撮影は難しいでしょう」という返事だった。


場所を探すと、飯田からフルーツロードを走行中に見かけたと書き込みがあった。
飯田から続くフルーツロードなら良く走っているからと直ぐに一日のスケジュールを決めた。
「柿すだれを見る事」と「茅野から始まる杖突峠を大鹿村まで走って、紅葉の風景を見る事。」
距離にすれば日帰り十分だけれど、連休の初日は交通渋滞が心配になったので朝の6時の出発とした。

フルーツロードを走っていると、早速国道に近い場所のビニールハウスに干しているのを見つけた。
ハウスの一部を空けていたので、声をかけて遠巻きに写真を写した。
けれど、線上に並ぶ美的な干し柿ではない。
よく見ると鎖状のものにひっかけているので、柿があちらこちらを向いているせいだ。


その先にも室内に干している風景は沢山見られたけれど、風情のある柿すだれの姿はなかった。


通りすがりの果物やさんに10kg800円で市田柿の生を売っていた。
九州の柿が今年は上手くいってないので、もう一度作ろうかとひと箱買った。
レジで、「これは干すと小さくなりますよ」と言われたけれど、今更お返しも出来ずに買ってしまった。
それにしても数は多い、何時間の仕事になるだろうか。
チョット憂鬱になった。
ブツブツ言いながら柿畑を歩くと木に実っている柿は数倍大きい。
益々、落ち込んだ。
畑で柿をもいでいたご夫婦が見かねたのか、声をかけて下さった。
「畑の立派な柿を分けて欲しい」と言ってみたら快諾して下さった。
また10kg買ったら、その上におまけを乗せて下さった。
買って来た小さな柿は、畑に捨てる柿だと教えてくれた。
都合20kgの柿を車に積んで帰って来た。


家人は朝から夕方まで黙々と柿を剥いている。
不出来な柿は一人でせっせと食べている。
市田柿が出来ても、skogでお出しする訳にもいかないのに、誰が食べるとの娘はハラハラしている。
畑に捨てられるはずの柿も綺麗に剥かれてタコ糸や荷物紐にぶら下げられた。

市田柿の産地では出荷までに1、2ヵ月かかるそうだ。
干して、手もみしてカビが出たら土に埋めて、胞子が飛ばないように気を付けて、硫黄で燻製すると言う。
手間をかけて粉をふいた美味しい柿になるそうだ。

家はそこまでは出来ないので、普通の干し柿が出来れば上等。
全部出来れば200個以上かも。
いくら柿が好きだと言っても、度が過ぎている。
きっと来年も行こうと言い出すだろう。

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