骨になっても、男と女は別々

京都、山科の墓石屋さんの傍の信号で止まった時に、娘が「あれ、女性専用の墓地があるって書いているけど」とびっくりしたように教えてくれた。

「骨になってまで、通勤電車の女性車両みたいなお墓じゃないとダメなんかなー」という。
頭の中を理科室にあった骨標本の体がクネクネと動き始めたような気がした。
間違えて埋葬された男性の骨は白い目で見られても、自分じゃどうしようもないね。
多分、通勤電車とは違う意味合いの専用墓地なんだろうけれど・・。

今日は90才代の姉二人を、メタボローム研究のお手伝いの為に京都大学まで連れて行った。
血液検査、体力測定や、記憶力テストのような事をいくつか受けた。
姉二人は、相当緊張していたようで二人とも血圧が160を越え、脈拍は早打ち状態だった。
元々我が家の生き字引とされている長姉は頭の中がびっくりするほどクリヤ―で過去の記憶、直前の記憶、引き算の早さも私が負けそうだった。

姉母は、口は達者だったけれど中味はそれなりに。
よぼよぼの老人をお探しだったので、私の二人の姉は理想的だろうと思った。
ところが、明日をも知れないと心配していた長姉は、体力、知力全てに3才下の姉母より上回った。

なのに生き方は正反対、長姉は外出嫌いで一日中テレビの前に座っている、相撲と、野球があればいい。
姉母は、外出好きで病院と美容院周りが日課、最近はテレビショッピングに熱心になった。
ワンメーターの範囲のタクシーを毎日呼んでいる。
タクシーに乗り過ぎて、最近は歩けなくなりつつあると心配していたら、長姉の半分の力しかなかった。
人生のクオリティーは、それぞれだけれど見た目と現実の違いが大き過ぎた。

DSC_3010.JPG

来月94才を迎える長姉は、ヘルパーさんを名前で呼べる施設内唯一の人だとヘルパーさんに喜ばれている。

そういえば、体調が悪いと内科を受診した時、診察の結果どこも悪い所見が見当たらない時に「少しボケ初めでしょう」と言われた事がある、家族も施設の方々もそれは無いと言い切ったけれど。

前の先生からの引き継ぎもそうなっていますと言われた。
医者の言葉も当てにはならない。
姉二人が、健やかに過ごせている事に安心した今日は、いい日だった。

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