姉母の憂鬱

姉母から暗い声で電話がかかった。
「あのね~」という声も震えている。
「新聞見てたら、は難癌と書いているんよ。5年の生存率は5%だって・・」
ようやく薄日が射すように食事が出来始めたばかりである。
「いせやん」のお造りが効を奏し、食事の楽しみが出来たらしい。
来月からヘルパーさんも来てくれるので、一人暮らしに刺激が入り、これから回復するだろうと楽しみにしていた矢先のことである。
netを検索できないので油断していたけれど、新聞に書いていたとは・・。
「食道がんは気が付かないから本人が自覚してからだと、進んでいることがあるからね。あなたは初期で見つかったから、それには当たらないから大丈夫」とはいったものの、フッと我に返った。
4月には85才の誕生日を迎える。
その5年後は90才という事になる。
あ~あ、5年後は90才やでー。今元気な人でも90才迄生きるのは大変やから、気にしないでよ。
私の5年後が分からないんだから。私より長生きも困るでしょう」とすげなく言い渡すと我に返ったけれど、それでも残りの人生は永遠にあると考えたいと思うらしい。
分からないではないけれど。
人生には例外なく限りがある。
亡くなった人たちのことを懐かしく思い出してしまった。
以前に書いたことがあるかもしれないけれど「あの世」があれば合図をしようと話していた人が先に逝った後、明らかに合図があった。
だから、あの世はあると私は信じている。
「あのねー、もしも、もしもよ、先に逝ったら日当たりのいい席を確保しといて」
と、姉に言ったけれど通じなかった。

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